私も器なんですよ3【呪術廻戦】 (ページ28)

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しばらくして釘崎はAから離れるとくるりと体を返し、水道にもたれるAの正面に立った。

釘崎「それで？あんたは何に悩んでんの？さっきから浮かない顔してるわ。」

釘崎はAの目をじっと見つめた。

『あの時ね。五郎を狙ってきた呪詛師の相手をしていたの。私…あの呪詛師を((五郎「あいつは俺が殺した。」

Aは特級一体の撃破と呪詛師3人の死亡という報告を聞き、自らが相手をした呪詛師の死を知った。そして、あの時確かに生かした彼に何が起きたのか気になっていたのだ。

五郎「Aが眠ってる間に、あいつを殺した。」

『殺すなと言ったのに？』

Aが睨むと五郎はけひひと楽しそうに、またバカにしたように笑う。

五郎「おいおい。俺は呪いだぜ？それはAが1番理解してるだろ？」

Aはよく理解していたつもりだった。呪いは狡猾に人を殺すもの。だが、自分が生かした命を殺められたことがどうしても悲しかった。

Aは2、3歩前に歩み出ると振り返る。

『そうね…

私、先に部屋に戻るわ』

逆光で3人からはAの表情は見えなかったが、今までに聞いたことのないような低い声であった。

伏黒「おい！A…！」

すたすたと寮に戻るAを伏黒は追いかけた。いつのまえにか校舎を曲がった2人は見えなくなる。