私も器なんですよ3【呪術廻戦】 (ページ21)

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想起

4月、呪術高専に入学して2度目の任務の時だった。

五郎「おい。A大丈夫か？」

壁に体重を預け、ペタリと座り込む血塗れのAに五郎は走り寄り声をかけた。

『うん…五郎…ありがとう』

五郎「今治す(五条「五郎。治すのちょっと待って。あ〜あ〜、こんなボロボロになっちゃって…」

どこからか現れた五条が五郎の肩を掴む。なんでだよ！と反抗する五郎に、五条は人差し指を口に当てしー。と言った。殺気を感じた五郎は思わず口を閉じる。

五条「この案件は、Aの任務とは別件だよ。それにAの手におえるレベルでもない。近くにいた僕を待つことも出来ただろう？」

1級の術師と言えど、まだ一年生。入学したばかりの彼女に振り当てられた、簡単な任務を終わらせた時に耳に入った、特級仮想怨霊の出現の知らせ。

五条に任せろという、伊地知の言葉を聞かずにAは現場に乗り込んできたのだ。

明らかに怒りのこもった五条の声に彼女は身を震わせる。

『ご…五郎がいるから(五条「五郎がいなきゃ死んでたよ。」

隠された五条の目が少しも笑っていないことがわかる。

五条「Aは強いよ。でも、自分の力量を見誤ってる。

いつも五郎がいるからっていうけどさ、じゃあ五郎がいなかったらどうなるの？

五郎と力を合わせて、助け合って沢山の人を守りたい？いいね、絆ってやつだ。

そりゃご立派。

でもさ。そんなことじゃ。

いつか1人になった時強敵を前に誰も助けられずに

死ぬよ？」