39日目 ページ41
「わー、やっぱりほっぺたぷにぷにだね」
……先程からオレの頬を突いてくるこの女性は一体何なんだ。顔を逸らしても、ずっと突いてくる。
「……止めてやりな、シズク。そいつ困ってるよ」
長時間その状態のオレを流石に見兼ねたのか、ピンク髪の女性が首を横に振りながら言った。
「えー、だって本当にぷにぷになんだもん。
人形みたいで可愛いし」
シズクと呼ばれた女性は、そう言えば次にオレの手を持って遊び始める。
突然の行動の切り替えに反応しきれず、されるがまま……考え事も出来やしなかった。
「確かにそうなんだろうが……今は俺の所有物なんだ。 止めてやれ」
「えー……わかったよ団長」
クロロ=ルシルフルに咎められ、漸くオレを解放した彼女は物惜しそうにジーッと此方を見ている。
今この空間にはオレと旅団の団長、そしてその団員の黒髪の女性とピンク髪の女性の四人がいた。
如何やら、団長の周りにはいつも最低二人の団員が付いている様子。
しかし、先程より数が減ったとはいえまだ太刀打ち出来るものではないという事実は明白であった。
捕まってから数時間が経過したか。
そろそろ動かないと本格的に彼奴らが動き出してしまう。
「……念能力、か」
「どうした？」
ふと呟いた言葉が聞こえてしまったらしい。
「……別に何も無い。
ただ、念能力の本質について考えていただけだ」
念能力……ヒソカに教わった基礎的なものしかやっていないので、此奴らの様な特殊な形態にはまだ移行してはいない。
念能力……可能性があるな。
此処を脱出する糸口が見つかるかもしれない。
「
……そうだ。
この真実を別の真実に変えれば良い。塗り替えれば良い。
これがオレの色属性にとって最も適する能力。
この状況を打破するにはそれしかない。
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作者名：レフト | 作成日時：2017年5月27日 19時
