27日目 ページ29
「……発見した」
第四次試験開始から三日が経過。
そろそろ頃合いだと思い、ロクサスのターゲットを木の上から探し出した。
「じゃあ、獲ってくる」
ロクサスにその者のいる方向を伝えれば、其方に向かわす。
「きっと大丈夫だろうな」
この三日間、修行してロクサスはキーブレードで
辺り一面を切り払える様になった。
如何やらオーラを飛ぶ斬撃として飛ばせるらしい。
その証拠に……
「……派手にやるものだ」
ロクサスのターゲットがいた場所の周辺の木が、一気に崩れ落ちている様子が窺える。
……良し、無事に獲れた様だ……ん？
「彼奴は……！」
轟音と気配に寄せられたのか、ヒソカがロクサスのいる場所へと近付いて行くのが遠目に見えた。
……また彼奴かッ……！
最早反射的に、直ぐ様ロクサスの所までワープする。
「A！ 獲れた……ってどうしたんだ？」
「ロクサス！ 今すぐ此処から撤退するぞ！」
もう鉢合わして面倒ごとが起きるのは懲り懲りだ。
ロクサスを連れ、直ちに回廊を開いて飛び込む。
「……逃れたか」
「誰かいたのか？」
状況把握も出来ていないロクサスは、突然の事に目を白黒させては此方に問う。
「ヒソカだ」
「……？ ヒソカって誰だ？」
……そうか、ロクサスは知らないんだったな。
「あの道化師だ」
「……え、あいつがこっちに来てたのか？
だったら今なら戦えば……！」
…勝てないだろうな。
「……考えてもみろ、オレ達は念能力を覚えて三日だ。
そんな未熟者が長年使ってきた実力者に勝てるだろうか」
……いや、それならまだオレ達でも出来るかもしれない。
しかし、彼奴は恐らくそんな実力者のより上に位置している人間だ。
指摘をすれば、うっと声を詰まらすロクサス。一応は理解しているらしい。
「……で、でも！ 倒さないといつまでもAが狙われるんだぞ！」
「承知している……だが、オレ達では難しいんだ」
だとしたら、撤退が一番の良策であろう。
「……兎に角、派手なのは良いがあまり派手過ぎると厄介な事にもなるんだ」
「あ、ああ……ごめん」
「別に気にしてはいない」
言い方が悪かったのか、落ち込んだロクサスの頭を慰める様に撫で、回廊をロクサスを連れて進んで行く。
「此処なら……大丈夫だな」
慎重に周りを確認し、気配も無かったので其処から回廊を出る。
「さて……期日まで過ごしていよう」
「そうだな」
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作者名：レフト | 作成日時：2017年5月27日 19時
