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プロローグ ページ1

グランドラインのある場所に、一隻の小船が海を漂っていた。ゆらゆらと目的もなく進む小船の上には、一つの黒い影が乗っている。


「……司法の島、エニエスロビー。
麦わらの一味によって崩壊」


その黒い影とは人であり、体をすっぽり覆うほどのマントを羽織っている男だった。
その手には先程ニュースクーから受け取った新聞。

深く被ったフードによって阻まれている為顔を確認することはできないが、顔が隠されたフードからは艶のある白に近い銀髪が覗く。


「麦わらの一味___最近出てきた海賊だったか。
…東の海出身の」


男は何かに思いふけりながらも読み進めていると、ついうっかり手を緩めたのか、持っていた新聞紙の隙間から数枚の紙が滑り落ちた。


「おっと」


声を上げるも既に遅く、その紙___手配書はバサッと音を立てながらもその男の下に散らばる。


「……これは麦わらの一味か」


一瞥をしては、散らばった手配書を拾い始めた男は、それらを次から次へと何とはなしに読み上げていく。


「麦わらのルフィ
泥棒猫 ナミ
狙撃の王様 そげキング
海賊狩りのゾロ
わたあめ大好き チョッパー
悪魔の子 ニコ・ロビン
鉄人 フランキー

後はこれか……ん……黒足のサンジ?」



その名を口にした瞬間、男の頰を汗が伝う。

まるで機械のようなぎこちない動きで拾い上げた手配書は、似顔絵でありながらも片目を隠した金髪、特徴的な眉毛をしている___麦わらの一味の一人、黒足のサンジの手配書だ。


「……サンジ、なのか……?」


男はそれを見つめ、暫時全く動く気配が無かったが、途端にハッと我に返れば顔を上げる。


「……ッこんな事してる場合ではない!!
ウォーターセブンに行かねば!」


そして、声を張り上げたかと思えば、素早く荷物を纏め、最後に手配書をしまっては立ち上がった。


「……これで行くのは久し振りだな」


すると、海上にもかかわらず男は小舟を降りる。

チャプン、と僅かに水の音が響けば、次の瞬間___不思議な事にその男は静かに水上に立っていた。


「幸い、此処からウォーターセブンまでそう時間はかからない。走った方が早いな」


そう独り言を呟き、低姿勢で足に勢いをつければ、黒いマントをたなびかせて疾風迅雷の勢いで駆け抜けて行った。

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Noah†(プロフ) - 更新待ってました(*´∀`)ワクワクしっぱなしです…これからも頑張ってください(*´-`) (2018年1月8日 0時) (レス) id: 16f26e4166 (このIDを非表示/違反報告)
しーた(プロフ) - 凄く面白かったです…!!更新ずっとお待ちしております… (2017年12月25日 11時) (レス) id: e6fa4e5308 (このIDを非表示/違反報告)
みかづき(プロフ) - め、めちゃくちゃいい所なのに!…すっごく面白いです!続き気になります!更新頑張ってください。 (2017年8月24日 11時) (レス) id: 40dece2299 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レフト | 作成日時:2017年2月21日 2時

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