第四幕 ★ ページ6
「じゃあ、早速場所に案内するよ。ついてきて」
と、神影はひらりと身を翻し奥の劇場へと進み始める。ところが鈴香は其処から一向に動こうとしない。どうやら何か考え事をしているようだ。
「…どうしたの?」
「あっ、すいません少し考え事を…もう大丈夫です」
「そう?じゃ改めて、此方だよ」
再び彼が歩き出すと鈴香もちょこちょこと後をついていった。そして後ろに控え、心配そうな顔つきをしている瑠璃と玻璃に
(先に屋敷に戻って)
と目で合図を送ると彼女達は頭を垂れ、鈴香達とは反対の道を歩き始めた。
「あ、そういえば名前聞いてなかった。君のお名前は?」
「く…、えっと鈴香、です」
神影の問いに一瞬「黒菊鈴香」と答えそうになり慌てて鈴香は口を塞ぎ訂正した。
今、黒菊と名のつくものは彼女自身しかいない。最悪の場合、命を狙われるかもしれないのだ。
―兄上のように。
「そっか、鈴香ちゃんか。綺麗な名前だねー…あ、着いたよ」
彼の前には大きな稽古場があった。今も人が台本を読み台詞の確認をしている。神影は其処の中に堂々と入り込んで、パンパンと手を叩いた。
「あっ、あの…」
「皆、良く聞いてね。今日から新しい団員が増えたよ!!鈴香ちゃんだ!」
いきなり話を振られ肩をビクッと震わせながら、鈴香は皆にもう一度自己紹介をした。
「鈴香です。今日からお世話になります…宜しくお願いします」
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あぶりサーモン(プロフ) - みく@企画垢さん» みくさん!いつもありがとうございます!初オリジナル&初合作ですが・・・頑張ります!(^-^) (2017年7月20日 12時) (レス) id: 9081172a3b (このIDを非表示/違反報告)
みく@企画垢(プロフ) - こんにちは!あぶりサーモンさんの大ファンで、ずっと応援してました!新連載、おめでとうございます。合作ということで楽しみです。これからも頑張ってくださいね! (2017年7月19日 19時) (レス) id: e89ce37d74 (このIDを非表示/違反報告)
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