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you side_
ステージが終わった瞬間、客席から大きな歓声が押し寄せた。息が震えた。よかった。なんとか最後まで走り切れた。僕が選んだのは、NCT WISHの「poppop」。
マスターがマイクを持ち上げる。
「今からNCT WISHに合流できるくらいの実力でした。」
会場にふっと笑いが広がる。軽い冗談みたいなトーンなのに、胸の奥がじんわり熱くなる。
「膝の怪我なんて、まったく感じさせなかったよ。」
その言葉で肩の力が抜けた。ちゃんと見てくれていた。
「どうしてこの曲を選んだの?」
僕は素直に答える。
「poppopのシオンがかっこよかったからですㅎㅎㅎ」
その瞬間、客席からまた少し笑いがこぼれる。
「というのは冗談でこの曲は、僕が作詞作曲した大切な歌なんです。6人と歌うことは叶いませんでしたが、いつか自分でも披露してみたいと思っていて。それで、この曲を選びました。」
マスターの目が一瞬まるくなる。
マスター「作詞作曲もできるの!?」
「はい。少しだけですけど。」
マスター「もう言うことなしのオールラウンダーね。」
久しぶりに聞く褒め言葉は妙にあったかかった。
「では、ランクを発表します。」
一拍置いて、はっきりと言った。
「オールスターです。」
デビューに失敗して、自分の人生がずっと暗い廊下みたいに続いていく気がしていた。でも今、ほんの小さな灯りが先に見えた気がした。その光は遠いけれど確かだった。
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作者名:さくや | 作成日時:2025年11月17日 17時


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