【悲報】同窓会に推しがいた【うらたぬき】

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自室で荷物をほっぽり散らしたまま中学の頃を思い返していた

私は面倒くさがりやという性格上、同じクラスの人としか関わりを持たず、卒業後も未だ連絡を取りあっているのはわずか3人しかいない

ぶっちゃけ、5年後の再会を遂げたところで覚えていない人は覚えていない気もするがまあ顔を見ればきっと思い出すだろうと考える
ポジティブ思考がいいよね、うん。


｢っ、あ。ACTORS始まるじゃん、リアタイ逃す｣


そう、私は今立派なヲタクとして仕事と推し事の両立を頑張っている

元々アニメや漫画が好きだった私に新たな声優という推しジャンルが加わってしまったことで質素な生活は一転、常に推しが中心の日常へと早変わりした

ちなみにそんな偉大すぎる推しはこの人。
声優の浦田わたるさん。

声優の仕事に加え、歌い手としても活動する凄い人だ


｢あぁあ〜〜〜、今日も声がいい…天才…｣

完全なるブラック企業とは言い難いが仕事の都合上、休日出勤も少なくない私の就職先はオタ活をするには圧倒的不向きで。

ライブやイベントが当たっても出勤で泣く泣く譲渡に出す、なんてことは日常茶飯事だ

最後に彼の勇姿を見たのは多分半年前。
20公演もあった夏ツアーだって仕事のせいで行けなかった


｢いつになったら会えるの浦田さん…｣


棚の上に置かれたフォトカードに向かって呟いた一言は一人きりの部屋に溶けていった

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