▽ / snr ページ19
「お誕生日、おめでとうございました。センラさん」
「……………え？」
きょうはお祝いです。ここのチョコ、美味しいんですよ。
どうぞ。と差し出される高級感ある箱。いやいや待て。
確かに俺は先日誕生日を迎えたけれど、当日にLINEでお祝いメッセージは貰ったし。飲みに誘われたのは結構前やし。まさか今日が、祝いの席なんて思わんやん…！？
「……、言うの忘れてたって、なんやねん………」
張り切ってたんですけど、そこは、うっかり。へらりと言う彼女に力が抜ける。
じゃあなんや？やたらとテキパキしとったんは、俺をもてなそうと張り切ってたからで、今ふにゃふにゃに酔ってんのは、酒好きな俺が気持ちよく呑めるように合わせて呑んだからで？
(____心臓に悪いねん、ほんまに………)
そんなん、正直かわいいと思ってまうやろ。男を舐めんなよ。そんな気ないのは分かってても簡単にときめく生き物やぞ。
「……センラさん？………もしかして、祝われたりするの、嫌でした？」
ニヤケそうになる顔を隠そうと両手で口を覆って項垂れていると、前方から不安げな声。慌てて顔を上げ、「そんなわけないやん！ありがとう！！！」と半ばやけくそで伝える。
「………ふふ、よかった。素敵な一年になりますように」
日々を重ねていくほどに、センラさんはどんどん素敵な人になるんでしょうね、きっと。
慈しみさえ感じる、綺麗な笑顔。オッサンに近づいていくだけやと思っていた歳を重ねるという事実が、良いものに思えてくるような。
「………ありがとうな、ほんまに」
彼女は俺に憧れ、素敵だと言い、綺麗な心を向ける____��特別��じゃない俺のことを、まるでとても価値のある人間のように。
それは不思議で、むず痒くて、けれど絶対的にありがたい。
「………Aさん何飲むん？」
「へ、いいんですか？さっき止めたのに」
「気ぃ変わりました。…気分いいし、一緒に飲も」
やった。と喜ぶ顔につられてこちらも口角が上がる。正直自分はまだ飲めるが、ここは抑えて、帰りはこの酔っ払いをちゃんとタクシーで送ってやろう。
____特別じゃない俺が産まれたってだけの日も、存外、うん。悪くないな。
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シオン - そ、そうだったんですね！続きが読めてとてもハッピーです！これからも幸せな2人のやりとりをひっそりと楽しませていただきます！ (2023年2月3日 19時) (
レス) @page46 id: 3ff5e2db98 (このIDを非表示/違反報告)
なん(プロフ) - 更新めちゃくちゃうれしい！くっついた2人がこれからどうなるのか楽しみです！！ (2023年1月31日 12時) (レス) @page46 id: 30f41c462b (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - (///◇///)ﾄﾞｷﾄﾞｷ (2023年1月30日 9時) (レス) @page46 id: a7d68907fb (このIDを非表示/違反報告)
打楽器(プロフ) - シオンさん» お久しぶりですすみませんでしたぁ(スライディング土下座)！！！ちょーっとプライベートが繁忙しておりました…うう………😭終わってないです！終わる時はあとがきまで書く所存なので！紛らわしくてすみません💦 (2023年1月29日 12時) (レス) id: fbabe361fc (このIDを非表示/違反報告)
シオン - ハッピーエンド？終わった、のでしょうか？（毎回トキメキ溢れ技させていただいてます）仕事終わりの娯楽の一つです、うまうま (2023年1月25日 20時) (レス) id: 3ff5e2db98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：打楽器 | 作成日時：2022年9月19日 10時
