5話 ページ5
？「高野Aさんって居る？」
お昼休み、ショッピと屋上に行こうとしたところで誰かが私を呼び止めた。
この人は、知っている。
チーノと付き合っていた先輩だ。
篠原「私、篠原っていうんだけど。チーノと付き合ってた」
「はい。チーノやゾム先輩からよく聞いていました」
篠原「チーノが急に別れようなんて言ってきて現状を受け入れきれないのだけれど…チーノを奪ったのって貴方？」
「え、そんなことは…」
別に私は先輩からチーノを奪おうだなんて考えていないし、今はショッピとお付き合いしてるのに。
でも先輩は私の事を信じてくれないようだった。
篠原「でも彼は私と付き合っても貴女の話ばっかりだったのよ！？貴女が奪ったんじゃない！！」
「違います！！」
どうしたらこの疑いは晴れるの…
というか、先輩の声に反応するようにクラスメートもざわつき始める。
syp「篠原先輩。すみません、ちょっとええですか？」
篠原「ショッピくん？」
ショッピは先輩を連れて教室を出ていく。そして私に先に屋上行ってと伝えて消えていった。
瞬間、クラスメートからの視線が怖くなる。
私は走って屋上まで上がった。
ーーー
syp「ごめん、お待たせ」
「ショッピ…」
一人で屋上に居ると気がおかしくなりそうでただ曇っている空を眺めていると少ししてショッピがやって来た。
彼は私を抱き寄せて、大丈夫。絶対一人にはさせへんから。と言ってくれた。
その後、教室へ戻ろうとした時、ショッピはトントン先輩に呼び出されて行ってしまい、一人で教室に入るとクラスメート達は気まずそうにしていた。相変わらずチーノはイライラしていて。
扉のところには篠原先輩が居た。
篠原「あ、Aさん。その、さっきはごめんなさい。何も知らなくて、私…」
「あ、いいえ、大丈夫です。」
何があったのかは分からないけれど、ショッピが間を取り持ってくれたのだろう。
別に先輩を責めるつもりは無いのでここで完結させようと思っていたら、は？とチーノが寄ってきた。
ci「…篠原先輩、Aに何か言うたんですか」
篠原「あ、チーノ君、違うの、私…」
するとチーノは私を引き寄せて
ci「いくら先輩でもAのことを悪く言うのは許しません。」
「ち、チーノ？」
急に引き寄せられている事にもだし、言っていることもだし、なんでこんな事に…？
篠原「わ、わかった。もうなにも言わないから。それじゃあね。」
先輩が去っても、チーノは離してくれなかった。
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作者名：ほたて | 作成日時：2022年10月20日 2時
