3話 ページ3
syp「なら、もっと好きになってもらえるように頑張るわ」
彼は私の手に口付けて、帰ろ。とだけ言って少し前を歩き始めた。
私はそんな彼の後ろを歩いた。家に着くまでお互い無言だった。
ショッピが、私を好きでいてくれる。
私はずっとチーノが好きでそれを隣で見守ってくれていた彼。支えてくれた人。
チーノは……好きだったけど、私を見てくれなくて……
ショッピは？わたしの事を見てくれる？
syp「A？家、着いたで？」
「ショッピは…私の事を好きでいてくれるの？」
syp「…好きやで。A」
彼は私を抱き締めて、俺と付き合ってくれるん？と聞いた。それに私は、うん。と頷いた。
ーーー
朝、家を出るとショッピが居た。
「おはよう」
syp「ん、おはよう」
このやり取りだけで何だかムズムズする。
syp「A？どうしたん？」
「わ、私、初めての彼氏だし、なんだか緊張しちゃって…」
syp「…かわい」
「かっ…」
かわいいて、かわいいって！！
むり、無理、ショッピは刺激が強すぎるよ！
しかもイケメンやし。さっきから車道を然り気無く歩いてくれるし。
どうしようもなく意識してしまう…
syp「…っあー、まじかわいいな。意識してくれてんの？」
「あ、えと、うん。そーです…。」
何だか彼氏彼女ってだけでこんなに意識しちゃうもの何だな…。
このままチーノのことも、諦めること出来るかな
ci「おーい！ショッピ！A！」
チーノだ。今日は珍しく寝坊してない。
ci「二人して置いていかないでよ〜」
syp「チーノはいつも寝坊するからええかなって」
チーノはぷんぷんしながらショッピに怒っている。あぁ、いつもの風景だ。
どうやら、今回の彼女さんとは一緒に登校はしないらしい。
ci「なんかA顔赤ない？熱でもあるんか？」
「え…」
チーノはいつもそんなに私に話しかけることは無いのに。
しかも、私のおでこに手を当てて、うーん。と顔を覗いてくる。
「ち、チーノ？大丈夫だから！」
ci「ちょっと熱ない？大丈夫か？」
syp「…チーノ」
ショッピは私とチーノの間に入って距離を置かせてくれた。
ci「は？なんやショッピ」
syp「彼女居るやつが他の女子にそういうことしたらあかんやろ」
ci「Aは別やもん、てかいつもこんなやし。ショッピは知らんやろうけど。俺ら幼稚園からの幼馴染みやから！」
「ちょっと二人とも…」
二人は私の声が届いていないのか、お互い睨み合っている。
止めてほしいのに、どうしよう…
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作者名：ほたて | 作成日時：2022年10月20日 2時
