不安 ページ40
折原さんの発言は、私がまさしく考えていた事だった。心の中を見透かされたようで、ドキリとした。
「Aちゃんがそうやって気ぃ遣える子だっていうのは理解してるし、何ならそこに惚れたわけなんやけど」
『あ、ありがとうございます…？』
「でもなぁ、俺も不安なんよ」
初めて聞いた折原さんの弱音に、私は思わず耳をそばだてた。
「俺はこんなにもAちゃんを好きやけど、この気持ちは見えないやろ？」
『それは…まあ…』
「Aちゃんは今日、俺の事を好きって言ってくれたけど…その気持ちが俺からいつか離れていかんか、不安なんよ。近くにおられへんから特に」
『折原さん…』
折原さんの心配はもっともだ、と私は納得する。
私も今日折原さんに「好き」と言ってもらえるまで、折原さんの気持ちが分からなくて悩んでいたし、今も本当に折原さんの彼女にふさわしいのか不安に感じている部分もある。
「だから何もなくても連絡は欲しいし、遠慮しないでほしいんよ………完全に俺の我が儘なんやけど」
『…分かりました。出来るだけこまめに連絡しますね』
「…ありがとう。………ま、俺らの場合、一番最初が1週間全く連絡が取れかった所からスタートしてるわけやし、大丈夫やろ！」
『うっ…その節は大変なご心配とご迷惑をおかけしました…』
「ほんまやでー？あの時、俺フラれたと思ったもん」
折原さんの「もん」という語尾の可愛さに一人悶えつつ、私は平謝りを繰り返した。
「…あ、つい話し込んでしもうた。ごめんな？長々と」
『いえ、折原さんとお話しできて楽しかったので大丈夫です』
「ありがとう。それじゃ、おやすみ」
『はい、おやすみなさい』
折原さんとの通話を終えた後、通話時間を確認すると20分程話し込んでいた事が分かった。
普段なら姉に早く風呂に入るよう促されるのだが、今日は部屋に乱入される事もなく放置されている。
(あー…きっと気を遣ってくれたんだな)
通話が終わった事を伝えるためにリビングに向かうと、予想通り姉がソファで寛いでいた。
『お姉ちゃん』
「あ、電話終わった？」
『うん。ありがとう、気を遣ってくれて』
「いーえー、初めての彼氏との電話だもの。邪魔するのは流石に気が引けたわ」
ニヤニヤと笑いながら近付いて来る姉に、身の危険を感じて慌てて後ずさる。
『お風呂入ってくる！』
「えーじゃあお風呂上りに話聞かせてよー？」
どうやら今夜は質問攻めに遭いそうだと溜め息をつきながら、私はお風呂へと駆け込んだ。
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紫苑(プロフ) - リリトさん» リリトさん、コメントありがとうございます！ そんな偶然があるんですね？！自分で名前を設定しておきながら驚きました笑 (2020年11月9日 19時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリト - 漢字は違うけど、本名同じ人おったｗｗ (2020年10月22日 17時) (レス) id: 5c9bfe90e0 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ひよりんさん» こんばんは。メッセージを返信させて頂きましたので、ご確認頂ければ幸いです。 (2020年8月22日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - こんにちは。メッセージ送らせていただいたので、見ていただければ幸いです。 (2020年8月21日 21時) (レス) id: 222226e292 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - センラさん推しさん» センラさん推しさん、コメントありがとうございます！ 神様だなんて畏れ多いです…！ですがありがとうございます、嬉しいです。 これからも頑張りますね！ (2020年3月18日 22時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年11月1日 18時
