電話 ページ38
「A、お待たせ」
『ううん、大丈夫！お迎えありがとう！』
「どういたしましてー。…今の人が折原さん？」
『そう！』
「ふーん…」
姉は折原さんが去って行った方を暫く見つめていたが、やがてパッと視線を反らすと私に向き直った。
「さ、帰ろっか」
『うん！』
「あはは、分かりやすい！良い事あったのね」
姉の言葉で、私はまた折原さんに抱き締められた事、「好きだ」と言われた事を思い出し、そして―――
『おおおお姉ちゃん…！付き合うって何するの？！』
「ぶはっ！アンタ、本当に大学生らしくないわね〜。今時の中高生の方がよっぽど進んでるわよ？」
『うっ…』
ケラケラと一通り笑った後、姉は「ま、おめでとう」と言ってくれた。その言葉で改めて私は折原さんとお付き合いしているのだと実感させられた。
その後今日起きた事を1から10まで説明する羽目になったが。
「ありがとね、陸」
『ありがとうございました！』
姉の彼氏さんである陸さんに自宅前まで送ってもらった後、私と姉は自宅に帰った。
「ほら、さっさと折原さんに今日のお礼の連絡しなさい！」
『な、何を送ればいいの？！』
「いつも通りでいいじゃない。今までのお礼のLINEしてたんでしょう？」
『ま、まあ…』
姉に促され、私は今までと同じようなお礼の文章を折原さんに送る。すぐに既読がつき、いつもならお礼の文章が送られてくるのだが、今日は違った。
『わ、わ…！はい、もしもし！』
「もしもし、Aちゃん？ちゃんとお家帰れたみたいで良かったわ〜」
折原さんからの電話に慌てて出る。
お酒が回ってきたのか、別れた時よりもふわふわとした声で話す折原さん。不覚にも可愛いと思ってしまったのは内緒だ。
『はい。あの、今日は本当にありがとうございました』
「んふふ、こちらこそ今日も楽しかったで。念願のAちゃんの彼氏にもなれたし」
『っげほっごほっ！！』
折原さんから落とされた爆弾に対応できず、思わず噎せてしまう。電話越しに折原さんが心配している声が聞こえたけれど、私はそれどころじゃなかった。
(お、折原さんが私の彼氏…ほ、本当に…？実は夢だったりしない？大丈夫？)
ここに来て不安が一気に襲ってきて、頬を全力で引っ張るも、ヒリヒリと頬が痛むだけだった。
「おーい、Aちゃん？」
『すみません…今さら夢なんじゃないかと不安になって、頬をつねってました』
「え、可愛い」
折原さんにガチトーンで言われて、再び沈没したのは言うまでもない。
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紫苑(プロフ) - リリトさん» リリトさん、コメントありがとうございます！ そんな偶然があるんですね？！自分で名前を設定しておきながら驚きました笑 (2020年11月9日 19時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリト - 漢字は違うけど、本名同じ人おったｗｗ (2020年10月22日 17時) (レス) id: 5c9bfe90e0 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ひよりんさん» こんばんは。メッセージを返信させて頂きましたので、ご確認頂ければ幸いです。 (2020年8月22日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - こんにちは。メッセージ送らせていただいたので、見ていただければ幸いです。 (2020年8月21日 21時) (レス) id: 222226e292 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - センラさん推しさん» センラさん推しさん、コメントありがとうございます！ 神様だなんて畏れ多いです…！ですがありがとうございます、嬉しいです。 これからも頑張りますね！ (2020年3月18日 22時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年11月1日 18時
