ジュース ページ35
折原さんが店員さんに頼んでくれているのをぼーっと眺めていたせいで、結局私は何の飲み物を頼んだのか分からないままだった。
「Aちゃん、何か食べたいものある？」
『えっと…』
「いきなり言われても分からんよなぁ。嫌いな食べ物とかない？」
『大丈夫です…！』
本当はいくつか苦手な食べ物はあるが、折原さんが頼んだものなら絶対に食べきってみせる。
そんな事を思いながら、折原さんが注文する姿を眺めていた。
まもなくして運ばれてきたのは、生ビールとパイナップルの輪切りがコップに添えられたグラス。
「お待たせしました、生ビールとパイナップルジュースです」
折原さんが頼んでくれたのはパイナップルジュースだったらしい。それにしては色が濃いような気がする。そう思いながら折原さんと乾杯をして、一口飲んだ。
『っ！美味しい………』
「気に入ってくれた？ここな、ジュースがどれも美味しいんよ」
折原さんがジュースを誉めたタイミングで店員さんが登場し、頷きながら美味しさの秘密が厨房で果物から絞っているからだと教えてくれた。
『本当に美味しいです…』
「んふふ、飲み過ぎて食べられなくならんようにな？」
『そこはちゃんと気をつけます！』
折原さんに揶揄られ、口先を尖らせながらも私はもう一口、とジュースを飲むのだった。
前回のご飯会では、折原さんと姉が同い年という共通点を見つけられたから盛り上がれたものの、今日はそうはいかない。
何の話題を話そうかと心配していたが、折原さんがこちらを見て、おもむろに口を開いた。
「今日も可愛えなぁ」
『えっ…あ、ありがとうございます…』
折原さんに真正面から誉められ、照れながらも感謝の言葉を述べる。こういう時はへりくだるよりも素直に受け止めておけ、というのは姉の押し売りだ。
「そういえば、さっきの子はAちゃんのお友達？」
『舞花のことですか…？はい、親友なんです！』
「大学の友達？」
『いえ、高校からの友人で…』
折原さんは聞き上手なので、私は聞かれてもいないのに、舞花との出会いや高校時代の思い出を話してしまった。
『あ、すみません…！私ばっかり話してて』
「んー？ええよ、Aちゃんがその舞花ちゃん？と仲良しなのがよう分かったわ」
『はい、私にはもったいない位に素敵な友人です』
仲良しの舞花のことを折原さんに認めてもらえたようで、自分の事のように私は嬉しくなり、笑顔で頷き返すのだった。
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紫苑(プロフ) - リリトさん» リリトさん、コメントありがとうございます！ そんな偶然があるんですね？！自分で名前を設定しておきながら驚きました笑 (2020年11月9日 19時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリト - 漢字は違うけど、本名同じ人おったｗｗ (2020年10月22日 17時) (レス) id: 5c9bfe90e0 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ひよりんさん» こんばんは。メッセージを返信させて頂きましたので、ご確認頂ければ幸いです。 (2020年8月22日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - こんにちは。メッセージ送らせていただいたので、見ていただければ幸いです。 (2020年8月21日 21時) (レス) id: 222226e292 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - センラさん推しさん» センラさん推しさん、コメントありがとうございます！ 神様だなんて畏れ多いです…！ですがありがとうございます、嬉しいです。 これからも頑張りますね！ (2020年3月18日 22時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年11月1日 18時
