stage.5 ページ8
(side.You)
私は昔からほんのちょっと人より運が良い。
それは例えば、限定商品を買いたくて列に並んでいたら最後の1個で手に入れられたり。
雨の予報の日に傘を忘れたら、自分が外を歩いている間は晴れていたり。
知り合いに初めて連れていかれたカジノで、一晩で一生遊べる程の金額を稼いでしまったり。
まあ、最後の1つは本当に、偶々だったのだと思う。ゲームのルールも全く知らない初心者が全てのゲームで勝てたのは、ビギナーズラックが働いてくれたのだと信じている。
私と友人がカジノに訪れた日は何かの大会だったらしく(友人はわざわざその日を選んでくれていた事は後から知った)、ぽんぽんと勝ち進んだ結果、優勝してしまった私はよく分からないまま、優勝商品として「カジノ SHUFFLE オーナー権」を受け取る事になった。
「今日から、いや今から君がこのカジノのオーナーだ。さあ、オーナー、君は何が望みだい？」
最後の対戦相手であった厳つい男にそう尋ねられ、混乱していた私は思わずずっと気になっていた事を口に出してしまった。
「あの、今何時ですか…？」
唐突な問いかけに会場はしん…と静まり返ったが、誰かが「21時だが…」と呟いてくれたお陰で、私はほっと一息つく。
「良かった！それならまだ間に合う！あのすみません、そろそろ門限なので帰らせて頂きます」
「え、いや…」
「あ、もしまだゲームがあるなら棄権しますので…」
「あ、いやそうじゃなく…」
「それじゃあ失礼します。今日はありがとうございました！楽しかったです！」
「いや待て！」
「無理です！門限過ぎたら外出禁止令食らっちゃうんです！」
観客の中に埋もれている友人に「バイバイ！」と手を振り、男達の制止も振り切って大急ぎで家に帰ると、門限の22時の3分前。
「ふぅー…間に合った………」
門限に間に合った安心感から、その日はカジノで起こった事をすっかり忘れたまま、ベッドに入り、眠りについたのだった。
翌朝、自宅に押し掛けてきた友人に叩き起こされた私は、彼女から驚愕の事実を告げられる。
「え…？昨日の大会で優勝したら、4年間ずっとオーナーにならなきゃいけない…？」
こうして、たった一日の出来事で私は4年間の将来を決められてしまったのだった。
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紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです！ ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります！ありがとうございます！ (2019年10月14日 0時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました！名前で呼ばれるのが嬉しいです(￣∇￣*)ゞ次も頑張ってください！ (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…！こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです！ 応援ありがとうございます！頑張ります！！！ (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です！登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください！ (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年10月7日 13時
