stage.4 ページ6
(side.Senra)
その出会いは本当に唐突で、だけどあの時"彼女"に出会えて、本当に俺らは幸運だったと思う。
「あーあ今日も暇だな…」
『する事なさすぎて、街を徘徊してるもんな』
「徘徊じゃなくて巡回だっての!」
『ゴロツキの巡回なんてアカンやつやろ』
「別に悪い事しねーし、いいだろ」
ぶらぶらと街を歩く俺らはただのゴロツキだ。人よりほんの少し腕っぷしが強いだけで、それ以外の特徴は無いような、俺とまーしぃー。
出会った頃は仲は最悪だったけど、今では仲良しの俺ら。…まあ、たまに喧嘩するけど。
「おいセンラ」
『ん?何や?』
「…あれ、どう思う?」
ぼんやり考えていると、まーしぃーの真剣な声に引き戻された。まーしぃーの視線の先には、ガラの悪そうな男3人と黒髪の女性が立っている。
『んー…微妙やな』
「ちょっと様子見るか」
この街は正直、治安が悪い。カジノから少し離れれば、ゴロツキが沢山いる。別に俺らも好きでここにいるわけじゃない。ただ、ここしか居場所が無い、それだけだ。
『まーしぃー!』
「ああ!」
男たちが女性を怒鳴り付け、腕を振り上げるのを見た瞬間、俺らはその場を飛び出していた。
『そこまでやで』
「綺麗なお姉さんに手を出すなんて最低だな」
男たちは突然現れた俺らに驚きながらも、殴りかかろうとしてきた。まーしぃーの目はギラギラと輝いており、加減する気配が全く感じられない。
『ちょっと目閉じときぃ』
女性には刺激が強いだろうと、黒髪の女性にそう囁くと、俺もまーしぃーに続き、男を殴り倒した。
「はっ…弱すぎてつまんねーなー」
『まーしぃーは強いかんなぁ』
「お前に言われたくない」
男たちとの勝負は一瞬でついてしまった。まあ、普段はもっと大人数と遊んでるもんなぁ。
「…あの、ありがとうございました」
黒髪の女性は俺らの会話を聞いて、もう大丈夫だと判断したのか、目を開いて俺たちを見つめてきた。
『ええって、何もなくて良かったなぁ』
「はい、ありがとうございました」
「センラ、こいつら連れてくぞ」
『おん』
「あのっ…!」
男たちを引き摺って行こうとした俺らを引き留めた彼女は、数秒迷った後、口を開いた。
「もし良ければ、カジノで用心棒、やりませんか…?」
その言葉に俺たちは二つ返事で引き受けた。
ある意味、これが運命の分かれ道だったのだと思う。しがない用心棒だった俺らが「四天王」と呼ばれるようになるのは数年後の話。
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紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです! ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります!ありがとうございます! (2019年10月14日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました!名前で呼ばれるのが嬉しいです( ̄∇ ̄*)ゞ次も頑張ってください! (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…!こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです! 応援ありがとうございます!頑張ります!!! (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です!登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください! (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫苑 | 作成日時:2019年10月7日 13時