検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:209,156 hit

stage.4 ページ6

(side.Senra)

その出会いは本当に唐突で、だけどあの時"彼女"に出会えて、本当に俺らは幸運だったと思う。

「あーあ今日も暇だな…」
『する事なさすぎて、街を徘徊してるもんな』
「徘徊じゃなくて巡回だっての!」
『ゴロツキの巡回なんてアカンやつやろ』
「別に悪い事しねーし、いいだろ」

ぶらぶらと街を歩く俺らはただのゴロツキだ。人よりほんの少し腕っぷしが強いだけで、それ以外の特徴は無いような、俺とまーしぃー。
出会った頃は仲は最悪だったけど、今では仲良しの俺ら。…まあ、たまに喧嘩するけど。

「おいセンラ」
『ん?何や?』
「…あれ、どう思う?」

ぼんやり考えていると、まーしぃーの真剣な声に引き戻された。まーしぃーの視線の先には、ガラの悪そうな男3人と黒髪の女性が立っている。

『んー…微妙やな』
「ちょっと様子見るか」

この街は正直、治安が悪い。カジノから少し離れれば、ゴロツキが沢山いる。別に俺らも好きでここにいるわけじゃない。ただ、ここしか居場所が無い、それだけだ。

『まーしぃー!』
「ああ!」

男たちが女性を怒鳴り付け、腕を振り上げるのを見た瞬間、俺らはその場を飛び出していた。

『そこまでやで』
「綺麗なお姉さんに手を出すなんて最低だな」

男たちは突然現れた俺らに驚きながらも、殴りかかろうとしてきた。まーしぃーの目はギラギラと輝いており、加減する気配が全く感じられない。

『ちょっと目閉じときぃ』

女性には刺激が強いだろうと、黒髪の女性にそう囁くと、俺もまーしぃーに続き、男を殴り倒した。

「はっ…弱すぎてつまんねーなー」
『まーしぃーは強いかんなぁ』
「お前に言われたくない」

男たちとの勝負は一瞬でついてしまった。まあ、普段はもっと大人数と遊んでるもんなぁ。

「…あの、ありがとうございました」

黒髪の女性は俺らの会話を聞いて、もう大丈夫だと判断したのか、目を開いて俺たちを見つめてきた。

『ええって、何もなくて良かったなぁ』
「はい、ありがとうございました」
「センラ、こいつら連れてくぞ」
『おん』
「あのっ…!」

男たちを引き摺って行こうとした俺らを引き留めた彼女は、数秒迷った後、口を開いた。

「もし良ければ、カジノで用心棒、やりませんか…?」

その言葉に俺たちは二つ返事で引き受けた。



ある意味、これが運命の分かれ道だったのだと思う。しがない用心棒だった俺らが「四天王」と呼ばれるようになるのは数年後の話。

設定→←stage.3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (216 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
525人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです! ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります!ありがとうございます! (2019年10月14日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました!名前で呼ばれるのが嬉しいです( ̄∇ ̄*)ゞ次も頑張ってください! (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…!こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです! 応援ありがとうございます!頑張ります!!! (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です!登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください! (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紫苑 | 作成日時:2019年10月7日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。