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stage.25 ページ36

(side.Shima)

準々決勝が終わり、中央のテーブルにて結果が発表された時、俺は喜びと落胆の入り交じった感情に襲われた。

(結局、残ったのは俺ら4人か…)

仲の良い奴らが勝ち抜いた事は喜ばしいが、正直代わり映えが無いとも言える。
会場の観客達も同様の考えらしく、様々な意見が飛び交っていた。そんな時、結果発表をした金城さんがもう一度マイクを持った事で、会場の喧騒は静かに引いていった。

「皆様にご案内いたします。この度、準決勝にて、当カジノで四天王と呼ばれる者達が欠ける事なく揃いましたため、特別ルールを適応いたします」

金城さんの言葉ににわかに会場がざわめく。しかし、金城さんの続きの言葉が気になったのか、すぐに静かになる。

「特別ルールといたしましては、準決勝を撤廃し、次の戦いをオーナーと四天王の5人による決勝戦とします」

その言葉の意味を理解した観客達は一斉に歓喜の声を上げ出す。最強と噂されるオーナーと四天王達の全員が一度に戦う、観客からすれば正しくドリームマッチというべき対戦カードだ。

「成程、こうくるとは思わんかったわ」
『っ!センラか』
「まーしぃーはどう思う?」
『ま、いいんじゃねーか?どうせ俺ら4人が戦ってもつまんねーしな』
「センラは正直ちょっと残念やけどなぁ…でもま、オーナーと戦えるなら良しとしますか」

センラがそう言った瞬間、会場の扉が開いた。このタイミングが現れるのは1人しかいない。

「オーナーのお出ましだ!」
「あれが「カジノ SHUFFLE」のオーナーか…」

会場中の視線を浴びながら、優雅に中央のテーブルへと歩みを進めるオーナー。
人々の羨望、嫉妬、憎悪、崇拝の詰まった視線に晒されても、彼女の表情が変わる事は無く、優雅な立ち振舞いも崩れない。

しかし、先程事務室で垣間見えた彼女の表情は普段より何倍も人間らしく、あちらの方が彼女の素なのだろうと想像が出来た。

そう思うと、彼女は人々の前でオーナーとして振る舞う時は、一体何枚の厚い仮面を被っているのだろうか。

(このゲームでその化けの皮、剥がさせてもらうぜ…)

新たな一面を知ってしまった事で、もっと彼女の事を知りたいと欲してしまう俺は蟻地獄に嵌まったようだ。

『おい、早く行こうぜ』
「まーしぃーはせっかちやなぁ」

カラカラと笑うセンラも、その瞳はギラギラと光っていて、何だかんだでオーナーとの対戦を楽しみにしている事が分かるのだった。



―――ついに最後のゲームが始まる。

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紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです! ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります!ありがとうございます! (2019年10月14日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました!名前で呼ばれるのが嬉しいです( ̄∇ ̄*)ゞ次も頑張ってください! (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…!こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです! 応援ありがとうございます!頑張ります!!! (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です!登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください! (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫苑 | 作成日時:2019年10月7日 13時

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