stage.21 ページ30
(side.Shima)
待ち望んでいた大会の日。本来なら開会式なんてかったるいだけだが、"あの人"が現れるなら話は別だ。
しかも俺たち「四天王」は特別に前の方に案内されているから、"あの人"と近い場所にいられる。今日ほど「四天王」という肩書きに感謝した日は無いだろう。
「それではオーナーの登場です。皆様、拍手でお出迎え下さい」
司会に紹介され現れた"あの人"は去年よりも輝きが増しているように思える。黒いマーメイドドレスのスリッドの隙間から覗く生足が魅惑的で釘付けになったのは言うまでもない。
「皆様、本日はようこそ「カジノ SHUFFLE」へ。4年に1度のこの大会、どうか心ゆくまで夢のような楽しい時間をお過ごしくださいませ」
簡潔で洗練された挨拶は来場者たちの好感度を上げたようで、特にブーイングなどもなく、オーナーには拍手が送られた。
「オーナー、ありがとうございました。さて、では早速予選を開始させて頂きたいと思います!」
司会の一声で会場は一気に騒がしくなる。
この大会は、例えどんな強者として名前が通っていようとも、皆平等に予選から勝ち上がらなければならない。賛否両論はあるが、この形式が伝統であり、"あの人"のように彗星の如く新人が優勝する可能性もある、という事で参加者達からは概ね受け入れられている。
『じゃーな、お前ら』
「ほな、また後でな」
「負けんじゃねーぞ」
「お互い頑張ろうね」
会場に入る時に渡された整理券が出場者の番号札代わりになる。予選は、いきなり連番で対決…とはならないようにランダムに組まれているので、俺たち「四天王」は少なくとも初戦では当たらない。
『さーて、今日こそ面白れぇ奴に当たらねーかな』
"あの人"との勝負は楽しみだが、それは最後のお楽しみだ。
血湧き躍るような戦いは回数を重ねれば重ねる程、病みつきになる。
『さあ、ゲームを始めようぜ…!』
スリルの無い人生などつまらない。断崖絶壁の環境で起死回生の一手を打つ、あの瞬間の快感を味わう為に俺は戦い続けている。
(難攻不落の"あの人"を堕とせるのか…考えるだけでゾクゾクするぜ…!)
昂る感情を押さえつける術を知らぬまま、俺はスツールに腰かけるのだった。
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紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです! ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります!ありがとうございます! (2019年10月14日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました!名前で呼ばれるのが嬉しいです( ̄∇ ̄*)ゞ次も頑張ってください! (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…!こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです! 応援ありがとうございます!頑張ります!!! (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です!登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください! (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫苑 | 作成日時:2019年10月7日 13時