stage.9 ページ14
(side.Sakata)
ラヴィさんが去って数分後。俺は目当ての人物を探すため、キョロキョロと辺りを見回していた。
『あっ!いた!志麻君!センラさん!』
「お、坂田とうらたじゃん」
「センラさんやで〜」
俺に気が付くように大きく手を振ると、すぐに二人は俺に気が付いて近くにやって来てくれた。うらたんは隣で飲み物を飲みながら呆れてた。
『ねえねえ!久しぶりに四人でやろうよ!』
「いいぜ!今日は面白そうな客、いなかったしな」
「俺はそろそろ帰るぞ」
「えーうらたん帰ってまうの?」
『へーうらたん、勝ち逃げするつもり?』
「…別に?そこまで言うなら残ってやってもいいぜ」
長年の付き合いで、うらたんを挑発に乗せる方法は分かっている。まあ本当に乗り気じゃない時は挑発しても乗ってきてくれないから、今日は何だかんだで勝負し足りなかったんだろう。
「ゲームはどうする?」
「四人でやるとなると限られるからなぁ」
『俺たちはさっきまでポーカーやってたんだけど』
「それでいいぜ」
ゲームの種類を決めても、ラヴィさんはまだ戻ってこない。仕方が無いので、テーブルを変えようと四人でぞろぞろと歩き始める。すると人々が俺たちを見て、道を開けてくれた。俺たちを見る人々の視線には様々な感情が入り混じっている。嫉妬、羨望、憎しみ、憧憬。だけどそんな眼差しを向けられても俺は物足りなさを感じている。
(もっと、もっと…!)
俺が焦がれてやまない"あの人"に会うにはまだ足りない。"あの人"は約束してくれた。然るべき時が来たら、必ず会いに来てくれると。
(会って、勝負して…もし勝ったなら…!)
―――――"あの人"を手に入れたい。
腹の底で黒く渦巻く欲求を必死に抑えながら、俺は今日も仲間と共にあほみたいに笑うのだ。
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紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです! ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります!ありがとうございます! (2019年10月14日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました!名前で呼ばれるのが嬉しいです( ̄∇ ̄*)ゞ次も頑張ってください! (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…!こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです! 応援ありがとうございます!頑張ります!!! (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です!登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください! (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫苑 | 作成日時:2019年10月7日 13時