ココロの中、丸見えです【歌い手】

サンプル：【あるふぁきゅん，96猫】 ページ1

雲一つない青空。梅雨も明けて、夏が本格的に始まろうとしている。世間は夏休みに突入している頃だろう。

今日の最高気温は39℃、そんなクソ暑い日に私はちゃんくろの家にお呼ばれしていた。その場にはふぁっきゅんもいた。



「──で？話って何？」

「んふふ……」

「もったいぶらずに教えてよ。ちゃんくろが呼んだんでしょう？」

「…くろちゃん」

「任しとけ。はい、これどーぞ」


彼女から手渡されたのはメガネだった。メガネにしては普通のメガネに比べてテンプルが太い。一見、何の変哲もないフツーのメガネに見えるがよくよく見るとメガネっぽくない。


「これはね、相手の心の声が読み取れるメガネなんよ」

「…………は？」


相手の心が、読み取れる？


「どういう事…？」

「ふぁっきゅん、あとは任した」

「いや、丸投げしないでよ。…まぁ、ようするにこのメガネは相手がどう思っているかが分かるメガネなの。心の声はもちろん、好感度まで見えちゃうわよ」

「へぇー…….」


こんなメガネが、ねぇ。


随分非科学的だ。これドラ〇もんの道具じゃないの？


メガネのテンプルの横にちっちゃいボタンがいくつか付いている。このボタンを押すと好感度が見えるってわけか(心の声はメガネをかけた時点で聞こえるらしい)。


「でも、なんでこんな物用意したのよ」

「……知りたくない？相手がAのことどう思ってるか」


ちゃんくろはぐふふと不敵な笑みを浮かべる。

＊→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す