モノグラム、ピクトグラム ページ42
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※原作キャラクターとなかなかに険悪な雰囲気です。注意。
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「お世話様あー」
と、毛利寿三郎は医務室内に声をかけた。その首からは白い布が下がって、右腕を包んで吊っている。中学生たちとの入れ替え戦、第一戦目に跡部と仁王のペアと対戦した彼は切り札として、わざと腕の関節を外すという捨て身の暴挙に出た。その結果、こんないかにも怪我人らしい、不便な拘束を強いられることになったわけだ。まあ仕方がない、放っておくと脱臼は癖になりやすい。
無造作に医務室の押戸を開けたところ、ちょうど廊下側からも誰かがドアに手をかけていて、危うくかち合いそうになった。「おっと」と、毛利は思わず声を出す。
その人物を視界に入れ――謝罪を口にしようと開いた唇は、「お」と笑みの形を作った。
「Aやんかあ」
彼のかつての後輩は、機嫌が悪いらしい凶悪な顔で毛利を睨み上げると、チッと大きく舌打ちを返した。
「ひっさしぶりやなあ」
不遜を通り越して、人として褒められたものではない彼の態度を気にした様子もなく、後ろ手にドアを閉めながらにこやかに彼は言う。
「髪、伸びたな」
フン、とAは鼻で笑った。
「大して覚えてもない癖に」
「ええ、そんな事あらへんよ」
「後輩なんて昔は興味もなかったし、今も大してないだろうが。うざってェ」
うーん、と毛利は唸る。なかなかに鋭い。図星を突かれたと言ってもいい。まあ別に、だからといってどうということはないのだけれど。
「でもお前んことは割と気に入っとったよ。俺と似とると思っとったし」
「ハァ？」
才能にかまけて、なーんも努力せえへんところ。声を殺して、囁くように毛利は言った。くすくすと、せせら笑うように口角を震わせながら。
才能。努力。
ああ、ああ！ こんな嘲笑があっただろうか。こんな侮辱が、あっただろうか。
あろうことか毛利は、Aを怠慢とうぬぼれと称したのだ。才能だの努力だの、そういったものの間でもがき苦しみ続ける運命のAAを指して！
わかっていないわけではあるまい。毛利寿三郎という男は、察しも頭も悪くない。
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角砂糖(プロフ) - 美琴さん» ありがとうございます！！（大声） (2020年3月11日 19時) (
レス) id: 651af228bd (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - 好きです(突然の告白) (2020年3月9日 20時) (レス) id: 0419c563a9 (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖(プロフ) - 蘇芳さん» この作品を愛していただき本当にありがとうございます。この話の続編は、今の所はあまり考えていません。今非常に私生活が忙しく、それが一段落したら何か書きたいなとは思っていますので、いつになるかわかりませんが、もし気が向けばお付き合いいただけると幸いです。 (2020年1月30日 4時) (レス) id: 651af228bd (このIDを非表示/違反報告)
蘇芳(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました！もしもあるのなら続編楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2020年1月24日 20時) (レス) id: ec6c109e68 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - 角砂糖さん» そうです！覚えていてもらえて嬉しいです！！予定があるかはわかりませんが次の作品をお待ちしてます！ (2019年11月20日 1時) (レス) id: f631e9f6d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：角砂糖 | 作成日時：2019年3月18日 21時
