誕生日プレゼント（紫） (ページ13)

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｢だのに...｣

｢ごめんね｣

｢せっかく来てくれたのに...｣

｢忘れてて...｣

｢なんにも用意してなくて...｣

そう言うと

｢祝って欲して来たんちゃうわ｣

そう言って笑ってくれた

｢ほんでもプレゼント用意してくれてたやんか｣

｢忘れとったんちごて気ぃつかんかっただけやろ？｣

｢ありがとう｣

って受け取ってくれた

｢開けてええか？｣

そう言いながらソファーに座ると直ぐにラッピングを開け始める

｢うせやん...｣

信ちゃんが小さく呟く

嘘やんがうせやんに聞こえる

信ちゃんの関西弁？

信ちゃん弁？

私好きだなぁって思ってたら

｢何で分かったん？｣

｢何で誰にも何にも言うた事ないのに｣

｢何で一番欲しかったもんが分かったん？｣

ってくりくりきらきらな目で見上げてくるから

信ちゃんが本当に嬉しそうにプレゼントと私を交互に見るから

私の落ち込んでた心も跳ね上がって

｢愛？｣

って笑って答える

｢ほんま何やねん｣

って照れる信ちゃんがたまらなく可愛くて

愛おしくて

座ったままの信ちゃんにそっと口付ける

ゆっくり離れると

抱きしめてくれるのかな？って期待してたのに

信ちゃんは突然立ち上がって

カラーボックスの横に置いてあった自分の鞄を取ってきた