耳元で歌わせて (赤) 3

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｢すばるくんて三兄弟なんですね｣



｢せやねん｣

｢一人くらい女の子欲しかったんやけど｣

｢まぁ今となったら三人とも元気で大人んなってくれたしええかなって｣

｢Aちゃんは？｣



俺が触れられへんかった家族の事

おかん普通に聞いてるし



｢8つ上の兄がいます｣

｢今は遠くにいて会えへんけど｣

｢両親が忙しかったから小さい時からずっとお兄ちゃん子で｣

｢同じ年頃の子とほとんど遊んだ事無いくらいにお兄ちゃんについて回ってました｣



Aちゃんも普通に答えてるし

何や気ぃ遣うことや無かったんか



｢Aちゃんと似てるん？｣

｢写真とか無いん？｣



おかんがまた普通に聞いてる



｢...残念ながら無いんです｣



けどAちゃんの返事は

一瞬答えに間があったやんな



｢...残念｣

｢Aちゃんのお兄ちゃんやったら絶対イケメンやと思たのに｣



何かを感じてくれたおかんが

ちょっと笑いに変えてくれた



｢すばるはちょっと難しいとこあるやろ？｣



突然テンション変わって

でもめっちゃ優しいトーンでおかんが言う

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