【アンナチュラル】中堂さんの相棒【男主】

予定外の証人turn7 ページ30

2度目の公判。1度目と違い、人が増えていた。一転して無罪を主張したからか。

三澄の立ち位置は、はっきりいって悪い。証言の撤回で心証も悪く、何より見た限り…

『ジジイばっかじゃねぇか…』

年配はとにかく若い女性には厳しい。三澄もまだ30歳代。検察側は有罪率99.9%のプライドをかけて全力で潰しに来るだろう。

俺的にもUDIラボが無くなるのは正直困る。三澄を応援してる訳では無いが、この裁判、勝たないとまずい事になる。

＿＿＿＿＿
亀岡「包丁から検出された血は事件より2日前のもの。被害者が誤って指を切った時のもので、本件とは何ら関わりはありません。

被告人の指紋は日常的に洗い物をさせられていたので、ついていても不自然ではありません」

そう、どう考えても誤認逮捕。だが、ここで厄介な人物が出てきた。

『…草野教授』

これまで40年、東都大学法医学教室で法医学携わってきた人物。解体数は１万５千体。
数はクソほど興味ないが、裁判には慣れているだろう。

烏田「この包丁から、どのような事が言えますか？」
草野「そのサイズと形状から見て、凶器と考えて、差し支えないかと思われます」

烏田「この凶器と刺し傷が、不一致であると主張する、若い女性の法医学者がいるのですが」

傍聴席の三澄を見る。表情が少し曇っている。

烏田「どう思われます？」
草野「その方の解剖数はいかほどです？」
烏田「草野教授の十分の一。1500件程度と聞いています」
草野「まぁ、女性だからと言ってチヤホヤされているんでしょうが。最近は未熟者でも一端の口を聞く女性研究者が増えています」
烏田「信用に値しないと？」
草野「はい」

堪らず立ち上がろうとする久部と東海林の腕を抑えて、落ち着かせる。俺はお前らの面倒見係じゃねぇ…。

『落ち着け。口車に乗せられるな。正しいのは三澄側だ』

負け犬がほざいているとでも思っておけばいい。そう言うと、大人しく、腰を下ろし直す。

手間のかかる奴らだ…。

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