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貴方side
そう言われたあと耳をパクッと食べられる
…ッ…何かが刺さった
でも痛みは感じない。むしろ何か別の良さを…?
だめだ!流されないで!
『い…いや…やめて…』
「何も怖いことしてないやん?気持ちのええことしようや」
声は優しくて、安心するのに言ってることが安心できない
『私から…離れてっ!』
そう言って身体に電気を巡らせるようにして魔法を放つ
「うおっ…と…」
そう言って離れた
そこには魔王らしかぬ男性が立っていた
見た感じ20歳前半のスーツを着ていてすらっとした眼鏡イケメンが立っていた
え…これ魔王なの?もしかして人違い?
「えぇ…僕の
ちゃーむ…?私を誘惑してたんですか!?
『あなたは…一体何者…?』
「何者って…Aちゃんさっき言ってたやん、僕が鬱です」
そう言って何かを唱える
するとそこには先程とは少し違い目の傍に紋様が浮かび上がり、八重歯が鋭く尖っていて、明らかに重い、暗いオーラを放ってくる
強すぎる闇の魔力…!自分の周りに結界を張って自分を守る…が
『う…そ…なんで…?』
魔力がない
その場にへたり込んでしまう
「そんなん当たり前やろ?さっき耳を食べた時に少し血もらって同時に魔力もとったんやから…」
そしてさっきの姿に戻って瞬間的に私の目の前に来る
俗に言う顎クイなるものをされる
「僕の目、ちゃんと見て?」
見ちゃダメ、きっとなにかされる
目を閉じて
『嫌です』
とだけ伝える
「僕にここまで抗ったんはAちゃんが初めてや、このまま魔界に連れてくか」
ふらふらの身体で何も抵抗できない
けど…唯一できるのは相手が今私にかけている魔法を跳ね返すこと…!
『魔法よ…跳ね返って…ッ!』
「え…!?ちょ…!それはあかんやろ…!」
目の前で慌て始める魔王
一瞬の光の後、何も変わりがない鬱魔王がいた
『まさか…何もかけていなかった…?』
「うわー…そんなんするとは思っとらんかったわ…明日も来るから待っててなAちゃん?」
そう言って額にキスをする
次の瞬間そこには誰もいなくなっていた
何故…魔王は私の名を知っていた…?
突然ドアが開く
「Aちゃん!怪我はない!?まぁ!魔力が!」
精霊族のリイア…手を握られ、魔力を供給してくれた
『ありがとう…私やばいかも、魔王が明日も来るって…』
「…え?」
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作者名:くいな | 作成日時:2019年11月28日 20時