続 ページ28
土方十四郎は、現在に刀を二本持っていた。
自前の刀と「雪渡」である。
妹が二度と刀を抜くことなく、誰も傷つけず誰にも傷つけられず幸せに生きて欲しいと思う土方にとって、妹の愛刀を連れていくというのは矛盾した行いだったが、何故だか自室の壁に掛けたままにはしておけなかったのである。
「お前も早くAに会いたいだろうよ」
誰に言うでもなく呟き、妹の愛刀を握りしめる。
不要な運動を避けるために天人の視界に入らないよう移動している土方は、現在長い階段を降りていた。
不思議なことに階段をおりる最中は誰ともすれ違わない。
何段も何段も降りて、そうしてようやく下りの階段がなくなった。
ここが最下層ということだろう。
今までの階層ではどこも階段の先に廊下が広がっていたのだが、ここには廊下はなく、ただ暗い部屋があるだけのようだ。
暗い部屋に緑色の光が浮かんでいる。
こんな所にAが居るとは思えなかったが、しかし万が一ということもある。
土方は部屋の中へ足を踏み入れた。
土方はAが目にしたものと同じ光景を見た。
土方十四郎はAよりも早くこの部屋に置かれた機器の役目を悟る。
「Aを助け出したところで、こいつを撃たれたんじゃどうしようもねぇ.......」
小さく呟き、そうして部屋を飛び出した。
歩く運動より、走る運動の方が酸素を多く必要とするのだが、土方にはそれに構っている暇はなかった。
恐らく地球用に造られたのであろう兵器を破壊してから部屋を出るというのが安全な手だったのかもしれない。
しかし注射器とその説明を見た土方は一刻も早くAを見つけ出し連れ去ることを選んだ。
最下層には居なかった。
Aがどこに閉じ込められているのかは、皆目検討もつかない。
自分が敵宇宙船に乗り込んだ時すぐに追いかけてきた神楽は操縦室を探しに行き、その後やってきた沖田は上から調べると言っていたはずだ。
ならば探すべきは下だろう。
土方は即座に判断を下すと階段を駆け上がり宇宙船を下の階から探索を始めた。
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さくらんぼ☆*.゚︎ - 初コメ失礼します!このお話 最高です!続き気になります!更新頑張ってくださいね!!応援してます! (2022年12月12日 0時) (レス) id: def3760315 (このIDを非表示/違反報告)
薄良(プロフ) - お餅さん» うわあああ申し訳ねぇ.......細かい設定を忘れ去っていました。普通に主人公の年齢と合いませんね.......細かい年齢表記削除しておきますありがとうございます (2020年2月20日 0時) (レス) id: 38546ea573 (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - あの…総悟が5歳のときって土方さんいましたっけ?土方さんが来たのって総悟が13くらいのときじゃありませんでした?違ったらすみません (2020年2月19日 18時) (レス) id: 436e739fd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薄良 | 作成日時:2019年5月6日 0時