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Aの様子に触れず討兎は話を続けた。

「この宇宙船には空気の構成割合を弄る機能が搭載されている。この牢の中はお前が過度な運動をすると直ぐに酸欠になるように割合が調整されているのさ。当然この機能は船内の至る所に張り巡らされていて、我々が操作すれば決まったブロック内で空気中の酸素濃度が変わる仕組みになっている。この船の空気は今どこもお前のために地球の大気と同じ割合に調整してあるがすぐに元に戻すことも可能なのだ。私がこの部屋から出て、お前がここを出られるようになっても油断はできないだろう」

「私は本日、我々の技術力を買った人間の男と会談をすることになっている。半日は戻らないだろう。私が帰る頃には乗組員の誰かがお前をこの牢の中に戻しているだろうからまたこうして訪ねる。それまでは自由にしていろ。私がこの牢を出てから5分もすればここを出入りできるようになる」

討兎は一方的に喋ると、ではと背を向け牢を出た。
その瞬間に息苦しさも消える。
先程の呼吸の異常は気のせいだったのだろうか。

とにかく、ここを自由に探索していい許可が降りたのだ。乗組員に危険と判断され、酸素不足にされないよう気をつけながら脱出経路を探そう。
それに、だお腹も空いた。
宇宙食は大抵が美味しくないなんて話を聞いたことがあるが、大丈夫なのだろうか。

呑気なことを考えながら牢が開くのを待っていると、討兎の宣言通り牢が開き、Aは廊下に出ることが出来た。

「.......案外あっさりしてるのね」

我ながら危機感がない気もするが、しかしまずは探索である。
この牢に戻される前に少しでも多くこの船のことを知らなければならない。

とりあえずは天人が多く集まっている場所からあたろうと、狭い廊下を歩いているとすれ違う天人は全員兎頭で、Aをジロジロと見ている。

途中で見かけた2人組の天人など隠す様子もなくこちらを見て

「あれが頭領の嫁候補かよ」

「綺麗な顔だが本当に武力があるのか?」

「お前、頼んで殴ってもらえよ」

などと話していた。
当然あまりいい気分にはならない。

「綺麗な顔なんて言うならよぉ、お前食っちまったらどうだよ」

「お前なぁ、一応あいつの肩書きは頭領の妻なんだからそんなことできっかよ」

酷い会話をしながら去っていった2人組の兎頭を思い出し嫌な気持ちになっていると、大量の兎頭が流れ込んでいく部屋を見つけた。

目立たぬよう覗いて見るとそこは食堂のようだった。

続→←やめたら、その8



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さくらんぼ☆*.゚︎ - 初コメ失礼します!このお話 最高です!続き気になります!更新頑張ってくださいね!!応援してます! (2022年12月12日 0時) (レス) id: def3760315 (このIDを非表示/違反報告)
薄良(プロフ) - お餅さん» うわあああ申し訳ねぇ.......細かい設定を忘れ去っていました。普通に主人公の年齢と合いませんね.......細かい年齢表記削除しておきますありがとうございます (2020年2月20日 0時) (レス) id: 38546ea573 (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - あの…総悟が5歳のときって土方さんいましたっけ?土方さんが来たのって総悟が13くらいのときじゃありませんでした?違ったらすみません (2020年2月19日 18時) (レス) id: 436e739fd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:薄良 | 作成日時:2019年5月6日 0時

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