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子供の頃の記憶だけを頼りに
ここまで来た。
「...わぁ、懐かしい」
手のひらに収まる小さな手
それは、あの時から変わらない。
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子供頃、家族で1度訪れたキャンプ場。
近くには川が流れていて、
多くの木々に囲まれ自然が豊かな場所だった。
そして、子供だった僕達は
キャンプ場を探検している内に迷子になって
今いる、この大きな橋の側のベンチで
二人身を寄せ合って両親が探しに来てくれるのを待っていた。
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久しぶりに踏み入れたそこは
あまり変わっていなかった。
僕がベンチに腰を下ろすと、
すぐ隣に君も腰を下ろして密着した。
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言葉を発することなく、ただ時間の経過を感じていた。
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「あ、ねぇお腹空いたよね?お菓子食べる?」
なんて、突然取り出したのはじゃがりこ。
一本取り出して、口に運ぶと
隣で君が頬を膨らませるから、
どうしたの?と聞くと
「あーんしてくれるかと思った、」
って言うんだ。
僕は、可愛い、と呟いて
取り出したじゃがりこを今度は君の口の中に運ぶ。
「ふふ、美味しい。ありがとう」
満足そうに微笑む君を見て
また、幸せを感じた。
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木々の隙間から太陽の光が見えて、
もう一日が始まる。
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さて、僕達に今日なんてやってくるのだろうか。
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あい(プロフ) - ひまぽんさん» ひまぽんさん、コメントありがとうございます* 。続編などは少し検討させて頂きますね、これからも宜しくお願いします...! (2019年3月25日 0時) (レス) id: 0f506228be (このIDを非表示/違反報告)
ひまぽん(プロフ) - 龍我くんの話の続きが読んでみたいです。那須くんサイドの話も読んでみたくなりました。他の作品も楽しみにしています。 (2019年3月25日 0時) (レス) id: aeeb4a860b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2018年9月9日 21時