嘘四十二つめ。 ページ45
*
先程までの騒めきなんか比にならない位だ。もはや喧燥と表記しても差し支えない。
……というか、コレは。
──セキュリティ3が突破されました。
──生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難して下さい。
その言葉が放送された瞬間。
「うっ、わぁッ…！？」
「虚！？ぐ…ッ！」
人の波に押され、虚と轟は互いが視認できない所まで離されてしまう。
最高峰よろしく、危機への対応が迅速すぎるせいで皆が皆、非常口を目指している状況。
何処をどう見ても生徒達がパニックなのは明瞭だった。
「押すなって！」
「いてえいてえ！！」
「ちょっと待って倒れる！」
周辺は漏れなく人がごった返しており、とても進んでいけるようには見えない。
なら、今。虚は自分に出来る事をするまでだった。
彼女が座っていたところは幸いにも奥の窓際に近く、混雑はそこまででもない。
けれど、やはり人の流れに逆らうのは苦労をする。
「まずは、事態と状況の把握を…ッ！」
ぐいぐいと四方八方から身体を押され、不意に足がもつれた虚。
──あ。
その刹那、彼女は簡単明瞭に理解した。
──自分が此処でこける、という事を。
それと同時に。
「…ッ…と、大丈夫か？」
「ええ、ありがとうございます。危うくカーペットになるところでした」
自身の身体を受け止めてくれた腕に安堵し、虚は胸を撫で下ろす。
汗が一筋。彼の頬を控えめに伝い、息を整えているところを見ると、血眼になって探してくれたのだろう。
二重の意味でお礼を言い、この後。どうするのかを思案する。
一人でこの混雑を突破するのは困難だと考えた彼女は、息を整え終えた彼に窓側を指差し、こう懇願した。
──「すみません、ショウくん。付き合ってもらっていいですか?」
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はむ(プロフ) - 言葉選びが好きです、 (2021年8月26日 0時) (
レス) id: 9bb4746f4d (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 莉兎さん» 私の小説で楽しんでいただけて何よりです〜！！更新遅いですがコツコツ頑張っていくのでよろしくお願いします(｀・ω・´) (2018年7月22日 3時) (レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
莉兎 - 凄い続き気になります、、、！めっちゃ楽しい(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o)))、、！ (2018年7月10日 22時) (レス) id: 8e6cda3aa7 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 血華さん» わーっ！これからもドキドキできるような小説を書けるように精進します！応援、ありがとうございます〜！ (2018年4月4日 5時) (レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
血華 - 凄く面白かったです！読んでいてドキドキしました！これからも応援してます！ (2018年3月31日 1時) (レス) id: d91252218e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2016年8月17日 9時
