嘘１４つめ。 ページ15
*
「怪我はキチンと治ってるのに…なんでこんなに疲れてるんだろう……」
「アンタ、それ。あの
僕は怪我をしていた手をジッと見つめ、にぎにぎと動かしてみる。
痛みは無い。あるのは謎の疲労感と気怠さだけ。
一応、リカバリーガールに見てもらったが、問題は無いみたいだ。
「あ、沫嘘さんの事ですか？」
「そうそう、そんな名前の。臨時の時はしょうがないけど、なるべくあの子の個性で治癒はしないようにね」
「えっ！どうしてですか？」
詳しくは解らないけど、めちゃくちゃ凄い個性なのは間違いない。
なのに、どういう事なんだろう。純粋に疑問に思う。
疑問の言葉しか、出てこない。
もう少し、僕が賢ければ。すぐさま悟れるのだろうが。
「そうだねぇ、簡潔に言うと…身体の治癒力が下がるからかね」
「ち、治癒力が……？」
「勿論、そう最初から大幅に下がる訳じゃないよ。何回も何回も繰り返した場合だけどね」
治癒力が下がる……ダメだ。具体的に想像出来ない。
ぐるぐると、目が回る様。そんな僕にリカバリーガールは懇切、丁寧に説明をしてくれた。
話を聞き、それを僕風にまとめると。
通常は治癒力が働き、段々と内側から傷を治していく。
沫嘘さんの個性を使って治療すると、外部の力に治されたと治癒力が勘違いし始めるらしく、だんだん治癒力自身が働かなくなり、傷の治りが遅くなるらしい。
「最悪の場合、あの子から離れて生活するのも困難になるかもしれないよ」
「……依存状態って事ですか？」
「そうだねぇ、ちょっとの事で大怪我に繋がるから。そういうことになるかね」
まるで、脳を殴られたように感じる言葉だった。
どういう反応をしようにも、何を言おうとしても僕の口から漏れるのは空気だけで。
やっと、一言。言えた言葉は、「そうですか」の一言だけ。
リカバリーガールの方も見れず、怠い足に力を入れた。
ふらふらと、立ち上がるのもやっとで。
歩き出すと、疲労感で今にも自宅のベッドに倒れ込み、寝転びたい衝動に駆られる。
そんな自分に鞭を打ち、僕は帰路についたのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はむ(プロフ) - 言葉選びが好きです、 (2021年8月26日 0時) (
レス) id: 9bb4746f4d (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 莉兎さん» 私の小説で楽しんでいただけて何よりです〜！！更新遅いですがコツコツ頑張っていくのでよろしくお願いします(｀・ω・´) (2018年7月22日 3時) (レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
莉兎 - 凄い続き気になります、、、！めっちゃ楽しい(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o)))、、！ (2018年7月10日 22時) (レス) id: 8e6cda3aa7 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 血華さん» わーっ！これからもドキドキできるような小説を書けるように精進します！応援、ありがとうございます〜！ (2018年4月4日 5時) (レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
血華 - 凄く面白かったです！読んでいてドキドキしました！これからも応援してます！ (2018年3月31日 1時) (レス) id: d91252218e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白雨 | 作成日時：2016年8月17日 9時
