嘘１３つめ。 ページ14
*
あれから順調に進み、全種目が終了。
トータル最下位が除籍。俺はそう、宣言した。
戯言だと思っている奴等もいるが、俺は必要以上、嘘を吐かない。
これは、ほぼ。緑谷を振るい落とす為の口実に近い。
しかし、俺の除籍予想は大きく外れた。
盗み見る様にソイツを見る。
ソイツはヘラヘラと笑い、蛙吹と楽しそうに話していた。
……どういうつもりかは大よそだが憶測はついている。
「んじゃ、パパっと結果発表」
俺がそう告げると、クラスの一部の視線が沫嘘に注がれた。
そりゃそうだ。アイツは自分の個性を使わなかったんだからな。
「トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する」
沫嘘が目を一瞬だけ細める。
その顔は、まるで何かを確信した顔つきだ。
「ちなみに、除籍はウソな」
「「「…………！？」」」
「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」
「「「は―――――！！！！？？」」」と一部の生徒が叫ぶ。
まあ、ホントはウソじゃなかったんだけどな。除籍処分。
「あんなのウソに決まってるじゃない…ちょっと考えればわかりますわ…」
「んふふ、命拾いしちゃいました」
「ホントよ、せっかく友達が出来たのに一日でさよならなんて洒落にもならないわ」
そんな事、思っても無い癖に…よくサラっとウソを吐けるな、アイツ。
とりあえず、コレだけは言っておかなければ。
「沫嘘、お前は再テストな」
「はーい！今度は計測器を壊す気でやるので安心してください！」
「沫嘘ちゃん、何も安心できないわ」
恒例になってきた蛙吹と沫嘘のコントを聞き流し、緑谷に一応。
「これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類があるから目ぇ通しとけ」
呆然とした一部の顔を最後に、俺は職員室に歩き出す。
―――後日、沫嘘は平然と八百万の順位を超え、一位を叩き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はむ(プロフ) - 言葉選びが好きです、 (2021年8月26日 0時) (
レス) id: 9bb4746f4d (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 莉兎さん» 私の小説で楽しんでいただけて何よりです〜！！更新遅いですがコツコツ頑張っていくのでよろしくお願いします(｀・ω・´) (2018年7月22日 3時) (レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
莉兎 - 凄い続き気になります、、、！めっちゃ楽しい(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o)))、、！ (2018年7月10日 22時) (レス) id: 8e6cda3aa7 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 血華さん» わーっ！これからもドキドキできるような小説を書けるように精進します！応援、ありがとうございます〜！ (2018年4月4日 5時) (レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
血華 - 凄く面白かったです！読んでいてドキドキしました！これからも応援してます！ (2018年3月31日 1時) (レス) id: d91252218e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白雨 | 作成日時：2016年8月17日 9時
