三十七話 ページ39
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side 紫
「こんばんはぁ〜」
「あら、鈴木さん、紫ノ塚さん、いらっしゃいませ。今日は一段と早いですね？」
「久し振りに定時だったんでね、こんな日は女将とAちゃんの顔見ながら大将の飯食おうと思って来ましたわ！」
爆速で仕事を終わらせ、約束通り上司と店に来た。
いつもより一時間くらい早く来たから女将さんも珍しがっとる。
…でも、Aさんの姿が見えない。
「Aちゃんなら、今ちょっと買い出しに行ってもらっとるんですよ。お醤油の買い置きが切れとるの、連休挟んどったからすっかり忘れてしもて…」
あと15分くらいで帰ってくると思いますよ、との女将さんの言葉に安堵した。
良かった、休みなわけやないんや。
「ほんなら待ってる間に軽く食うか。」
「そうっすね。今日は何があります？」
適当に料理を頼んで、最初に運ばれてきただし巻きたまごをつまむ。あぁ、やっぱり大将の料理は美味い。
ふと煙草を吸いたくなって、失礼します、と立ち上がった。
一服して灰皿に煙草を押し当てると、エンジン音と共に車が入ってきた。
器用に駐車場の端に停めると、運転席から降りてきたのは予想通りAさん。
喫煙スペースから出て、後ろの座席に置いてあるだろう荷物を持とうとしている彼女に声をかけた。
「おつかれさん」
『わっ！？…ああ、怜さん…びっくりした…』
「すまん、驚かすつもりはなかってん」
『わかってるよ、ありがとう。怜さんもお仕事お疲れ様！』
「それ、買い出しの荷物？…多くない？」
顔を覗かせて見ると、重そうな大きなエコバッグがみっつ。
『いつもまとめ買いするから、こんなもんだよ』
「そんなに何入っとるん？醤油だけやないの？」
『え、少なくなってた調味料と…ティッシュとか消耗品と…洗剤とか…布巾とか…』
「…重いやろ。運ぶの手伝うから貸して」
『え、大丈夫だよ！お客様にさせる事じゃないでしょ！』
「俺今店の外に居るから客やないもん。」
『いや…でもこれは仕事だから…』
「喋っとるんに仕事中なんや？客とタメ口で喋っとるんに？ほぉ？」
『っ意地悪…』
「何とでも言ってくださーい。どっちにしろ一度じゃ持てへんやろ。…はい、これ持って。あとは俺持つから」
『でも…』
「こういう時は素直に甘えとけばええの。女の子なんやから」
ほんま、女の子は助けたらんとな。
それが好きな人なら、尚更。
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黒月（ﾌﾞﾗｯｸﾑｰﾝ）(プロフ) - 続編ありがとうございます！最初の台詞なんですけど、、、エミさんでは？敬語やし、納得っていうのは前からの知り合いだから、、、と思ったんで。続編も更新がんばれください←（くださいって付いてるから敬語と信じて、、、） (2019年5月27日 23時) (
レス) id: 75155c2af0 (このIDを非表示/違反報告)
yanochin(プロフ) - キョウヤさん» コメントありがとうございます！共感していただけて嬉しいです！頑張ります！ (2019年5月27日 23時) (レス) id: 2c796d6a97 (このIDを非表示/違反報告)
キョウヤ - 主の気持ちなんかちょっとわかる。自分も声低いのちょっとコンプレックスだから。この小説面白いっす!頑張ってください! (2019年5月27日 23時) (レス) id: 665ea8b906 (このIDを非表示/違反報告)
yanochin(プロフ) - HAKU猫の夏さん» コメントありがとうございます！頑張ります！！ (2019年5月27日 20時) (レス) id: 2c796d6a97 (このIDを非表示/違反報告)
HAKU猫の夏(プロフ) - あ。なんか好きっす、頑張れください。 (2019年5月27日 20時) (レス) id: 1e7a204824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yanochin | 作成日時：2019年5月12日 0時
