二十五話 ページ27
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4月に入った。
新年度を迎え、今日から新社会人が頑張ってるのか、なんて考えながら仕事に向かう。
昨日買った簪、早速使おうと思って持ってきたし、私も新社会人に負けないように頑張らないと！
と、思いつつ。急に何かが変わるわけじゃないし、凄く混んでも暇でもない。ここ一ヶ月くらい仕事は本当に平凡だった。
接客して、空いた時間に
やる事はあるけど、こう毎日毎日同じ事の繰り返しだと…正直ちょっとマンネリ化するよね。この仕事好きだけどさ。
久しぶりに手帳の中を整理しようと空いたページを開いた。
良く来る常連さんや、常連さんがたまに連れて来るお連れ様の事をメモしてるこの手帳は、私がこの店に入ってからもう何年も書き記してきたもので。
サラリーマンさんから学校の先生、近所のおじいさんまでお酒の好みとか、どこで働いている方だとか、そういうのをメモしてる。
だいたい50〜60代のお客様が多い中、ふと目に止まったのは紫ノ塚様だった。
30代のお客様でちゃんとしたメモがあるのは紫ノ塚様だけだ。他の方は一言二言だけ。
会社の事、お酒の好み、食事の好み。他にも細かい事書いてあるけど、一番下に付け加えられたのは喫煙、という二文字だった。
喫煙スペースは店の外だから実際に吸ってるところは見てないけど、きっと画になるんだろうな。
仕事も出来てあんなに格好良い人に好かれる人が羨ましい。
可愛い人と並んで歩く姿とか想像できるもんね。例えば雅とか。
…うわ、想像したらめっちゃお似合いだった。スラッとしてて格好良い紫ノ塚様と、小柄で可愛い雅。良いなぁ、私も雅みたいに容姿も声も可愛かったら、もう少しマトモな恋愛できたのかな。
可愛かったら。自分に自信が持てたら。鈴木様にあの言葉を言われた時、もう少し違った反応が出来たのではないか。
こんな事考えるなんて、私やっぱり紫ノ塚様の事、意識しちゃってるわ。
私に恋愛なんて無理だって、自分が一番よくわかってるのにね。
この想いが叶うことは殆ど無い。奇跡が起きて仲良くなれたとしても、本当の私を知った瞬間に全てが終わる。
…あんな経験、もう二度とごめんだ。
それならやっぱり、この関係のまま。
密かに想ってるだけでいい。
最後の片想いを、貴方にさせてください。
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黒月（ﾌﾞﾗｯｸﾑｰﾝ）(プロフ) - 続編ありがとうございます！最初の台詞なんですけど、、、エミさんでは？敬語やし、納得っていうのは前からの知り合いだから、、、と思ったんで。続編も更新がんばれください←（くださいって付いてるから敬語と信じて、、、） (2019年5月27日 23時) (
レス) id: 75155c2af0 (このIDを非表示/違反報告)
yanochin(プロフ) - キョウヤさん» コメントありがとうございます！共感していただけて嬉しいです！頑張ります！ (2019年5月27日 23時) (レス) id: 2c796d6a97 (このIDを非表示/違反報告)
キョウヤ - 主の気持ちなんかちょっとわかる。自分も声低いのちょっとコンプレックスだから。この小説面白いっす!頑張ってください! (2019年5月27日 23時) (レス) id: 665ea8b906 (このIDを非表示/違反報告)
yanochin(プロフ) - HAKU猫の夏さん» コメントありがとうございます！頑張ります！！ (2019年5月27日 20時) (レス) id: 2c796d6a97 (このIDを非表示/違反報告)
HAKU猫の夏(プロフ) - あ。なんか好きっす、頑張れください。 (2019年5月27日 20時) (レス) id: 1e7a204824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yanochin | 作成日時：2019年5月12日 0時
