【d!】兄達からの愛が受け止め切れないのですが。【kn】

第10話【水色】 ページ11

・・・




『…あ！』




kn「ん〜？………はぁ？」




なんだ。やっぱり馬鹿じゃないか。
適当に後ろを指差して気をそれに引き付ける。




兄がそれを見て顔を青くするが、
私はそれが何なのかを知らない。
力が緩んだ隙に腕の中から抜け出した。




リュックを背負い、マフラーを巻きながら靴を履く。




『行って来ます！』




そう言い残し、暖かい家を出た。



・・・




学校が遠いので毎朝電車通学。
何故わざわざ遠い所を選んだのか。
…それもちょっと言えないな。




予想外の出来事が起きてしまい、
慌てていつもの電車の次のに乗り込む。




少し時間が違うだけで、人が少ない。
先に降りたのか、いつも会うあの人もいない。





「いるよ？」




人が少ないとはいえ座席は空いていない為、
腕が疲れるが吊革を握った時だった。
横から声を掛けられた。



「そんなびっくりする？」



『今どこから現れたんですか…』




ガタンゴトンと揺れる電車内。
ドアが閉まっているにも関わらず、突如隣に現れる。
最初から居ましたよ感で溶け混んでいるが、
さっきまで私の隣に人は居なかった。




「さっきぶりやな。大丈夫？」




『会いましたっけ？』




全く身に覚えが無い。
大丈夫そうやな。と笑う男性。
ちなみにこの男性(神様)は、しんぺい神さん。




彼が笑う度に辺りに花が咲き、
気のせいか周りの乗客は幸せそうな顔をしている。
これ大丈夫？…あれ？幻覚じゃない。リアルだ。




『お酒入ってます…？』



妙にふわふわしている。床に足がついていないのは別で。




snp「いつもこんな感じだよ？」





まぁ言われてみたら…そんな気が……






急いでいても電車は速くならないので、
しんぺい神さんと話し、着くまでの時間を潰した。

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