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「実は、俺がこっちに来る前にまだ他にも仲間が居たんだ。」



ご飯とお風呂を済ませ、客用布団を私のベッドの隣に並べ
今はお互い布団の中にいる。


この間までに色々な竈門君の話を聞いた。


竈門君は仰向けで天井を見ながらそう言った



「仲間?もしかしてその鬼退治の?」



「あぁ、それに…俺の大事な妹も居たんだ。
一緒に居たはずなんだっ、なんで俺だけ…!」


段々口調が強くなった竈門君を見ると、布団をギュッと握りしめていた


きっと妹さんが居ないのが一番辛いんだろう。


わかるよ、竈門君。


私は自分のベッドから身体を起こし竈門君の寝ている布団に
近づいた。


「竈門君!」


バフンッと掛け布団の上から横にダイブすると
竈門君はびっくりしていた。


「み、実さん?!」



私の奇行に上半身を起こしてワタワタしてる竈門君



「大丈夫!きっとみんな寄り道してるだけだよ!
なにがキッカケでこっちに来ちゃったかは分からないけど、
一緒に居たなら大丈夫!」


だから今日はもう寝よう?と竈門君の頭を撫でると
竈門君は安堵の表情と少しだけ溜めた涙を袖で拭った


「明日、学校もバイトもおやすみだからさ
一緒に探しに行ってみようか!」



道案内なら任せて!と親指をたてる




「…そうだよな。探しても無いのに、諦めるなんて。
実さん!明日も世話になります!!」



布団の上でビシッと姿勢を正して深々とお辞儀をした竈門君の表情は、先程の不安が消えていたように思えた。



良かった。
竈門君は強いな…


私は大丈夫になるのに、だいぶ時間が掛かっちゃったよ。



「折角だから、隣同士で寝よう〜!」



私はベッドから枕だけを引っ張って自分の頭の下に敷いた



「え?!でも俺が結構幅をとってるから、狭くないか?」



「平気平気!すし詰め状態で暖かいから一石二鳥だよ!」



「…もう一鳥は」



「ん?この方が寂しくないでしょ?」



へへ、と笑いながら言うと
竈門君はそうかもしれない、と笑った。



誰かと寝るのはいつぶりだろうな

思っているうちに、瞼はどんどん重くなっていき
目を閉じた。



「おやすみ、竈門君。」



完全に寝てしまう前に、重たい口を動かして眠りについた。




「おやすみなさい、実さん。」



寸前で聞こえた低く優しい声はとても心地が良かった
おやすみといえばおやすみが返って来るなんていつぶりだろう



その日の夜はいつぶりかの深い睡眠を得られた気がした。

五→←参



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きょちゃちゃ - とても面白いです!特に伊之助のとこで笑いました!ww (2022年10月16日 3時) (レス) @page17 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
啞雩漪(あおい) - 更新頑張ってください!面白いです‼ (2021年12月26日 7時) (レス) @page9 id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
ハヤシノ(プロフ) - すきです!!続き待ってます…! (2021年12月24日 11時) (レス) id: 631874fedd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:1/4 | 作成日時:2021年10月1日 10時

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