はじまる初恋 (ページ8)

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『無理、心臓がもたない…』

「校庭と教室の距離でそれってこれからどうすんの。」

『だって〜』

笑顔だったんだもん。
友達と数人で何か話しているようで楽しそうにしてた。

ひたすらにかっこよかった。

でもその数人の中には女子もいて。
ただの友達かな。
彼女かな。

あんなかっこいいんだから。
彼女、いるよなぁ。

「彼女いるかどうかなんて聞いてみないとわからないでしょ！」

『七海って心の声よめるの？』

「全部声に出てたって…」

あぁ、自分が恋愛でこんなぼけぼけになるなんて思わなかった。

「まあ、彼女がいたとしても」

『いたとしても？』

「奪うのみ、でしょ！」

『いやそれはダメだって』

私の倫理に反する。

そう言うと七海は別に不倫するわけじゃないんだから問題なし！
なんて言っていた。

なんとも七海らしい。

彼にもし彼女がいたら。
きっとすごくすごく大切にしていると思う。

彼の何を知ってるんだって話だけど…
たったあの数分の出来事で彼の優しさと温かさを見た気がするから。

だから奪うなんて無理な話だ。