はじまる初恋 (ページ35)

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『先輩、ここなんですけど…』

「これはこの数式使うととけるよ。」

『なるほど…』

5人での勉強会。
珍しく青木先輩と相多先輩も静かに勉強をしている。

1年生の範囲も井田先輩は丁寧に教えてくれた。

教えてもらった数式にあてはめていく。
途中で数字が間違えていることに気づき、左手で消しゴムを探した。

『………っ！』

よく見ないで手を伸ばしたら井田先輩の手に触れてしまった。慌てて左手をひっこめる。

『ご、ごめんなさい！』

「いや…大丈夫だ。」

ほんと一瞬当たっただけなのに指先に全神経が集中する。
また心臓もドキドキうるさい。

感情が暴走しそうだ。

「ちょっとお2人さーん。あまーい空気、出さないでよ。」

『な、相多先輩なに言ってるんですか！』

「なんか初々しいね。Aちゃんかわいい〜」

『橋下先輩まで乗らないでください！』

2人からかわれ顔が赤くなる。
井田先輩のほう見れない…

「やー、なんか2人ってお似合いだよな！」

「何言ってんだ青木。」

『そ、そうですよ！』

「そんなの…Aさんに失礼だろ」

『えっ』

お似合いだけどなーとぶつぶつ言う青木先輩。

心なしか井田先輩も顔が赤い？

からかわれ慣れてないのか、それとも…