はじまる初恋 (ページ24)

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あの後のことはあんまり覚えていない。
2人で部屋に戻ると青木先輩から「遅いぞー！」って言われて。

井田先輩の隣は恥ずかしくてずっと橋下先輩と話した。

こっそりちらちら井田先輩を見ると何回か目が合う。

部屋が薄暗くて良かった。

こんな赤い顔、先輩達に見せられない。

「あ〜楽しかった！！！」

「Aちゃん音痴でびっくりしたわ！」

『相多先輩ひどい…』

「ちょっと相多くん！かわいい後輩いじめないの！」

「え〜いいじゃん！Aちゃん反応おもしろいし。なぁ、井田！」

「あ、あぁ…」

『井田先輩まで。』

じとっと井田先輩を見ると少し笑っていた。

「また遊びたいな〜」

ん〜と伸びをしながら青木先輩が言う。

「青木くん、そろそろ期末試験の勉強始めなきゃじゃない？」

「あぁ、確かに。もう1ヶ月前だもんな…」

もちろん私もだ。高校に入ってから初めての期末試験。
正直、恋愛にうつつを抜かしてる場合じゃない。

『私、数学ピンチです…』

「俺も〜」

「俺は英語かなぁ…」

私に同意する青木先輩と遠くを見る相多先輩。

「あ、いいこと思いついた！」

にやっと笑う青木先輩。

「井田は理数系、橋下さんは文系。得意だったよな！」

「まぁ、得意ってほどではないけどそれなりに…」

「よし決定！井田ん家で勉強しまーす！」

「え？」

「もちろんAちゃんもね！」

『えっ…』

いいじゃんいいじゃん！なんて盛り上がる井田先輩以外の方々。

「俺部活休みになるのテストの1週間前からだけど。」

「おし！じゃあそれまでは各自頑張ろう！」

まぁ、それでいいなら…
そう井田先輩は言った。

井田先輩のお家。
好きな人のお家にいけるなんて…

井田先輩には見えないように青木先輩にグーしといた。
ぶっ！と吹き出す青木先輩。

感謝。ほんとに感謝です。

憂鬱だった期末試験もなんだか楽しみになってきた。
とりあえず井田先輩のお家に行く前にしっかり勉強しておかないと！！！あまりにできないと呆れられちゃうもんね。