・ ページ25
恵の手に握られている宿儺の指を見て言うと、またもや野薔薇の一蹴。
ちぇ、と横を見れば、なぜか閃いたような虎杖。
「俺、食べようか?」
「残飯じゃねーんだよ…!!」
『閃いたみたいな顔しといてろくでもないこと言わないでよね虎杖』
「オマエの指の許容量はハッキリ分かってねぇんだ。食うな」
呪いのとは言え一応人体なのだから、そんなパクパク食べないでいただきたいところだ。
見てる側の倫理観の心配もある。
「でも一番元気そうなオマエに渡す。念を押すが、食うなよ」
「(犬並みの理解力だと思われてるな)」
『(いや、私の方が元気じゃない…??)』
パクッ、ゴクン。
「「『食うなっつったろ!!!』」」
「え、俺ェ?!」
指を受け取るかと思われた虎杖の掌に口が現れて、次の瞬間には取り込まれていた。
そういう事もできるのね…言っといてよ…そしたら私が持ってたのに。
「コイツ…マジで!!今回もろくに働かねぇし!!」
そりゃ働かないし助けてくれる訳ないでしょ…と半ば呆れの目を向けると、たった今勝手に指をパクッとした掌を見つめる虎杖。
「…もしかして、五条先生って適当?」
「『(今更…)』」
「クラァッ!!!オマエらぁ!!!」
五条先生の掌の上でコロコロと転がされている虎杖を3人で哀れんでいると頭上の端から聞こえたドスの効いた声。
拳を振り上げ、今にも殴りかかってきそうな勢いだ。
「あ、新田さん」
『にったちゃーん!!』
「よくそのテンションでいったねA…」
「ブチ切れてるわね」
「誰とも電話も繋がらないし!!!報連相は大事って習わなかったんスか!!?!」とブチギレが収まらない新田さん。
『このとーり!!』と両手を合わせてごめんなさいの誠意を示してみるも、目に見える効果は無し。
車内でお説教コース確定である。
「じゃ、帰るか」
『私今回助手席なのにぃー…』
「…変わるか?」
「お腹減ったー、この辺りっぱ寿司あるのかなー」
「りっぱ寿司の新幹線凄かったでしょ!!」
「うるさい」
虎杖が笑って差し出した手を恵が掴んで立ち上がり、血塗れ四人はヨロヨロと歩き出す。
それぞれが複雑な心を抱え、それでも力強くこの世界で生きていく為に──。
ちなみに、この後四人は学長にアホほど怒られる。
✳︎
472人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Uo(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます❕イラストを載せるのは緊張するので、そう言っていただけると嬉しいです😖 (6月5日 1時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
無 - 絵うっっま!!!お話の方もサクサク行かせてもらってます! (2022年12月27日 15時) (レス) @page36 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 鈴さん» こちらのミスです、すみません😖修正したので、見られるようになったと思います…! (2022年12月20日 15時) (レス) id: 37eb27a647 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - すみません、夢主ちゃんの画像が見れないのですが…… (2022年12月5日 18時) (レス) @page9 id: e67e995d1b (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - アオちゃんさん» コメントありがとうございます❕そんなにお褒めの言葉を頂けるなんて、感激です…!!😖ご期待に応えられるよう頑張ります! (2022年10月3日 23時) (レス) id: 6bc61cb134 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とま | 作成日時:2022年9月13日 1時