雨後 ページ35
*
刺すような夏の日差しが、ピリピリジリジリと私の肌を焼いている。
日焼けは嫌だけど夏は好き。
水色って感じで爽やかで、太陽が照ってる時間が長いから、1日が長くてなんだか得した気分になる。
青々と輝く木々。
カンカンと照る太陽。
光の粒子が一粒一粒輝いてるみたいに眩しくて、キラキラしてる。
『.....』
そんな夏の日に、虎杖は死んだ。
─雨後─
「"長生きしろよ"って...自分が死んでりゃ世話ないわよ」
"長生きしろよ"
彼の遺言は、最後までこんなにも他の人のことだったらしい。
本当に、どこまでも善い人
あーあ、
よかった。
「...アンタら仲間が死ぬのは初めて?」
「
『.....同級生って恵だけだったし』
よかった。ほんとに。
まだあんまり虎杖のこと知らなくて
もっと仲良くなっちゃう前で
よかったって、本当に思ってるんだよ。
『(.....やだなぁ)』
目が熱い
「ふーん、その割に平気そうね」
「...オマエもな」
「当然でしょ。会って2週間やそこらよ。そんな男が死んで泣き喚くほど、チョロい女じゃないのよ」
声が震えてる。口をぎゅっとつぐんでる。
それでも野薔薇は涙は零さなかった。
『...じゃあ私は、チョロい女だ』
「アンタはそういう奴よ」
「.....生きてる人が死んだ人のことを思うと、あの世でそいつの周りに花が降るんだったな」
ぼそっと、でもしっかりと耳に届いた恵の声に、一気に喉まで何かが込み上げてきた。
覚えててくれたの?興味無さそうにしてたくせに、
そういうの一切信じないって顔してたくせにさ
『(...そうだよ。きっと今頃、降ってるよ)』
頭の上に置かれた恵の骨張った大きな手は思ってたよりずっと優しくて、泣き声が漏れるのは恥ずかしくて、うまく声が出なかった。
代わりに『う"ぅー、』という謎の唸り声。
「ふっ、ちょっと何よその鳴き声」
振り返った野薔薇にもぐしゃぐしゃとかなり乱暴に頭を撫でられた。
恵の百倍容赦ない。
2人分の優しさを手のひらから受けとったせいで、また目がじわじわと熱くなる。
でももういいや、だって今は夏だから。
『私、夏好き』
きっと2人とも、これは大粒の汗ってことにしてくれるから。
『汗、かいちゃう...』
「あぁ、暑いな」
「...そうね、夏服はまだかしら」
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歌詞 - 特急が取り込んでいたのか (3月22日 17時) (レス) @page32 id: 2b3270be69 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - るるさん» コメントありがとうございます❕かわいい性格に書けていたならとても嬉しいです😖スタンドバイミー、いつ見ても名作ですよね…!! (6月5日 1時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - まって、、夢主かわいい💕 てか、スタンドバイミー最高ですよね!リバーフェニックス私も好きー!クリスは性格もイケメンだし、、、。 (5月5日 0時) (レス) @page3 id: 7b5dad0b18 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - †NANA†さん» 詳しく教えて下さり本当にありがとうございます…!!誤字が多くて申し訳ないです😞 (2022年8月14日 20時) (レス) id: f3920fcf38 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ32と33で、「特級」が「特急」になっています。 (2022年8月13日 16時) (レス) @page35 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とま x他1人 | 作成日時:2022年5月17日 0時