【必読】物語 ページ1
バアアアアンッッ
「イヤァァァァァァァァァ!!!」
青空に鈍い音と少女の悲鳴が響く。
◆ ◆ ◆
一面真っ白の部屋で、ひとりの青年が少女に問いかける。
「キミはあの少年を 愛 してるかい?」
少女は戸惑いながらもこう答える。
「うん。私はどうなってもいいから…彼だけは助けたいの。」
遠くのほうから無機質な機械音が聞こえる。
「そうか。じゃあ僕がその願いを叶えてあげるよ。」
少女は意味が分からないとでもいうように、顔をしかめる。
「そんなに警戒しないでくれ。僕はあくまでも彼を助けるために話しているんだ。」
「…どういうこと?」
「事故に遭ったあの少年は、瀕死状態だ。もう助かる術はないだろう。」
その瞬間少女の顔がゆがむ。
「だけど、キミの体のうち、どこか一部を代償としてはらえば、彼の命を助けてあげるよ。
代償はなんでもいい。腕だろうと、足だろうと、感情だろうと、記憶だろうと。
キミが好きなのを選んでくれ。…ただし命はダメだよ。そんなことをしたら、この意味がなくなっちゃうからね。
あと、代償をはらった代わりに、キミには些細な魔法をプレゼントするよ。」
部屋に静寂が訪れる。
少女は青年に質問した。
「本当に、××を助けてくれるの?」
「もちろん。当り前じゃないか。で、どうするんだい?」
少女は俯いた顔を上げて、決意したような声で言う。
「私は…
・
__を代償に払う。」
「そうこなくちゃ!さぁ急いで。彼がもう危ない。」
青年はいつ現れたのか、それとも元からあったのかわからないドアの扉を開ける。
「今は時間がとまっているんだ。キミがここを通れば、元の世界に戻るし、また時間が動き出す。」
少女は頷いて一歩踏み出す。
「ありがとう。」
「いいえ。お安い御用さ。それじゃあね。」
青年がドアノブから手を放す。
ゆっくりとゆっくりと閉まり始めるドア。
ドアが閉まった瞬間、少女は光に包まれた。
◆ ◆ ◆
バアアアアンッッ
とある交差点に鈍い音が響く。
少年と車が接触したのだ。
近くにいた者たちはすぐに接触したところへ向かう。
あんなに大きく事故が起きたから、もう助かっていないだろう…
と誰もが思っていた。
しかし、少年の上には、まるで少年を守るかのように一人の少女がかぶさっていた。
一人の女性が救急車を呼ぶ。
人々はその場に立ち尽くした。
そして一人の男性がこう言う。
あんな子いなかったはずなのに、と。
9人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のゆり(プロフ) - 私事ですみませんが、参加を辞退させてください。すみません!!今までありがとうございました…。 (2018年6月26日 23時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ(プロフ) - やっぱり、取り消して頂いていいですか? (2018年3月20日 23時) (レス) id: f9d0823dcd (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ(プロフ) - 男、16歳で愛ノ代償を払っていると女、同じく16歳で愛ノ代償を受けたで参加したいのですが… (2018年3月18日 1時) (レス) id: f9d0823dcd (このIDを非表示/違反報告)
Patricia(プロフ) - すみません!テンプレートをhttp://uranai.nosv.org/u.php/novel/Patricia12/に移動させました。 (2018年3月17日 12時) (レス) id: bffa3645ba (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - 企画ッ子をまとめたので、urlを此に変更して頂けると嬉しいです! http://uranai.nosv.org/u.php/novel/pyaninya695/ (2018年2月28日 23時) (レス) id: 110b838fd7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:眠花 | 作成日時:2018年1月20日 0時