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例の組織が壊滅したとの知らせを受けた。









組織の掃討作戦は、あのXデーから二日後という超最短で決行されたという。


あまり時間を置くと逆に状況が悪化するのでは、という意見の下の決定だったらしい。




短期決戦の末、組織の幹部は全員捕縛・ボスもお縄についてひとまずの決着を見せた。




逃げた残党も着々と捕らえられており、組織と繋がりを持つ他の犯罪組織も芋づる式に引っ張り出され、前代未聞の大捕物となったようだ。


それもこれも、メルロー時代の私が盗み出した情報を前提として動いた結果らしく、私は大層お誉めの言葉を頂戴した。


まあ今の私の功績ではないので、少々尻込みしてしまったが…




組織壊滅報告が訪れたのと同時に、私にもMI6から連絡が入った。


戻って来いとのお達しだったが、どう考えても無理である。


以前持っていたと思われる技術はほとんど頭から抜けているからだ。




前世思い出す前の方がハイスペックだったな。


泣いてますよ勿論。


前世を思い出して得したことと言えば、料理が出来るようになったくらいだろうか…


もう一度言いますよ、泣いてます。




ちなみに私は掃討作戦に参加しなかった。




足を負傷しているうえに私は元々情報工作員である。


本作戦において一番求められるのは敵の制圧能力……つまり武力。


私に一番無縁のものだったのだ。




そして今日、私は杯戸中央病院にやって来ている。




言わずもがな、本作戦に勝利をもたらした立役者のお見舞いだ。









「コナンくん、具合は……あっ。」




コナンくんの病室にやって来た私は、早々にピキリと固まった。


病室に先客がいらっしゃったのである。




そう、……蘭ちゃんと園子様が。




「あ!千佳子さん!」




二人は私を見るとあからさまに目を輝かせた。


今の私は金髪のウィッグをつけていない、ある意味素顔の状態である。




二人の中ではいまだ、佐藤千佳子と篠崎Aをイコールで結ばれていない。


すっかり失念していたが、彼女らにも説明しなければならないな。


佐藤千佳子の姿をしているが、私は二人もよく知るあのワガママお嬢様だったということを。




「あー…蘭ちゃん、園子ちゃん。あのね……」




私は今からでも予想のつく今後の展開を憂いつつ、説明を始めた。

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作者名:しま | 作成日時:2018年5月8日 23時

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