黄泉の国の遣い【双星の陰陽師】

7話 ページ10

伽那は私立水度坂病院にいた


理由は出場者である水度坂勘久郎と雛塚寧々に組み合わせを渡すためである


診察室に入ると勘久郎が出迎えた


勘久郎 「あれ珍しいスね」


伽那 『御前試合の組み合わせが決まりましたのでその伝達を』


勘久郎 「そうスかぁ〜まぁかけてくださいス」


伽那 『いえ長居をするわけではないので』


勘久郎 「まぁまぁ」


伽那は無理やり座らされた


伽那 『こちらが今回の御前試合の組み合わせです』


勘久郎は伽那から1枚の紙を受け取った


勘久郎 「あれ僕は双星の坊やとスか」


伽那 『変更は出来ません』


勘久郎 「いや変更する気はないスよ」


伽那 『そうですか。では私はこれで』


伽那が出ていこうとすると勘久郎が止めた


勘久郎 「聞きたいことがあるんス」


伽那 『御前試合のことですか?』


勘久郎 「違うっスよ···」


勘久郎の目は真剣だった


勘久郎 「僕が聞きたいのは”來瑠璃伽那”という子のことス」


伽那 『我ら來瑠璃家のことはいくら十二天将の方と言えども』


勘久郎 「知りたいんスよ」


伽那 『···』


勘久郎 「彼女が10年前なぜ突然僕らの前から姿を消したのかを」


伽那 『そうですか』


勘久郎 「じゃあ！」


伽那 『但し条件が御座います』


勘久郎 「なんスか?」


伽那 『今回の御前試合で焔魔堂様を完封出来たらとしましょう』


勘久郎 「そんなことでいいんスか」


伽那 『貴方様が知る覚悟がおアリなら』


勘久郎 「分かったス」


伽那は去る際に言った


伽那 『ではご健闘をお祈り致しております』

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