思い出せない言葉 ページ29
ななもり「ごめん、七瀬ちゃん。今なんて言ったの?」
なーくんに聞かれても、私はすぐに答えることができなかった。
『わ、分かりません・・・』
「え?」と言ってなーくんは不可解そうな顔をした。
『ごめんなさい、本当に自分が今なんて言おうとしてたのか分からなくて・・・』
自分でも変なことを言ってるのは自覚してる。
でも、本当に何を伝えようとしたのか思い出せないのだ。
内容を思い出せないくらいだから、どうでもいいことを伝えようとしていたのかもしれない。
ー−−だけど。これは忘れてはならない、大事な”感情”な気がする。
それに、あの場面での言葉なら絶対にくだらない話はしない。
そうなると、私は必然的に”大事な思い”を伝えていることになる。
私はどうしても思い出したくて考え込んでしまった。
私が悩んでいると、なーくんが「もしかして」と言って話を切り出した。
ななもり「今は思い出せない七瀬ちゃんが伝えようとしてくれたその言葉が、
俺の告白に対する”答え”なんじゃないかな」
『どういう、ことですか・・・?』
ななもり「なんというか、さっきの俺、サラッと七瀬ちゃんに告白してたじゃない?
俺が告白した直後に七瀬ちゃんが放った言葉だったから、
告白に対して返答しようとしてくれてたのかなっと思って」
そう言われてみると、先ほどまで悩んでいたことが少し解消できた気がする。
その代わり、新たな疑問が浮かんだ。
『なぜ、思い出せなくなったんでしょか』
告白に対する返答をするなら、普通はそのことを意識して覚えているはず。
ななもり「・・・それは」
なーくんが途中で言葉を遮った。私は「どうしたんですか?」と尋ねた。
何か、思い当たる節があるのだろうか。
なーくんは、「何でもない」とでも言うかのように首を横に振った。
ななもり「詳しいことは分からないけど、何か理由があるんじゃないかな」
明らかに言葉を濁していた口ぶりだったけど、理由を聞くことはできなかった。
「そろそろ帰ろっか」と言ってなーくんは立ち上がった。
ななもり「あんまり遅くなると、シスコンお義兄ちゃんに怒られちゃうからね」
『まだ5時20分ですけどね』
今回私となーくんがデートする条件として、”6時までに帰宅すること”という項目が入っていた。
・・・そう言えば、さとみくんから色々条件出されてたの忘れてた。
あの、シスコンとか色々通り越してません?→←ごめん。正直めっちゃ好き。
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雨萩さくり(プロフ) - 零採さん» 返信が遅れてしまってごめんなさい!!コメントありがとうございます。僕は6人のすとぷりが好きなのとななジェル推しなのでこの小説を書かせて頂きました✨楽しんで読んでくれたら嬉しいです……!! (2月18日 18時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
零採 - なーくんの話だ…!一人のすとリスとしてすっごく嬉しいです! (12月27日 18時) (レス) @page24 id: 493da3e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
如月玲斗/玲央(プロフ) - 雨萩さくりさん» 神の定めだねぇww どういたしまして? (5月19日 17時) (レス) id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 如月玲斗/玲央さん» 私の作品が玲斗くんに影響を与えてしまうとは・・・。これも神の定めかな?(何言ってんだこいつ)・・・冗談はさておき、こちらこそ沢山読んでくれてありがとう!! (5月19日 7時) (レス) id: 62efc680fd (このIDを非表示/違反報告)
如月玲斗/玲央(プロフ) - さくちゃーん!!4ループ目に入ってしまった...どうしてくれるのだ!?課題が...課題が〜...w神作ありがとねっ!! (5月18日 22時) (レス) @page25 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨萩さくり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時:2023年2月23日 21時