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暴れて、暴れて、どうしようもない現実を受け入れようとして、絶望してしまった。
日々を無気力に過ごす様になった深澤は、もう何もしてくれなくなった。
食事も運動も、リハビリも拒んだ。
唯一の栄養源である点滴だって、目を離せば抜いてしまおうとする。
その手を止めるのは、いつも宮舘だった。

宮舘が現在、会う事が出来るのは三人だけだ。
無気力な深澤。
優しい阿部。
意識の無い向井。

それ以外の五人は、宮舘のみ面会謝絶状態だった。
会いたくないと突っぱねられた佐久間と目黒。
会わせられないと家族に言われた岩本とラウール。
宮舘自身が会いに行けないと立ち止まっている渡辺。

渡辺は、宮舘に会いたいと言ってくれているらしいが、宮舘は会いに行けなかった。
どんな顔をすれば良いのか分からなかった。
幼い頃から時間を共にしてきた渡辺は、あの美しかった声を失った。
喉を酷く傷付けたらしい彼は、長い手術の末、命と引き換えに声を神に捧げてしまった。


__何度、思っただろう。

下半身に麻痺を負った深澤に動く身体を。

声を失った渡辺に声を。

意識の保たない阿部に以前の様な時間を。

未だ意識の戻らない向井に意識を。

片脚の無くなってしまった佐久間に脚を。

一生残る裂傷を負った目黒に美しい肌を。

右半身に麻痺を負った岩本に自由を。

二度と目覚めないと言われたラウールに未来を。

返してくれ、返してくれ。
俺から全部奪って良いから、彼等にくれてやってくれ。

何度、願っただろう。
毎日毎日、そうやって思うのに。
意識を失う様に眠って、迎えた朝で自分は矢っ張り健康で。
無事だった事を憎むなんて、彼等に対して不誠実だと分かっているのに苦しくて仕方がなかった。

時を戻せたら。
未来を変えられたら。
今を、明るい日々に出来たら。

俺は何だって、捧げられる。

そんな事を思っていた。

そんな事を、願っていた。

願いは、→←*



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user(プロフ) - bamさん» ありがとうございます!スローペースですが今後も楽しんでいただければ嬉しいです! (7月9日 4時) (レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
bam(プロフ) - この先どうなるかドキドキしながら見守る気持ちです。更新楽しみにしています! (7月8日 14時) (レス) id: e2f44e88a0 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - 中身のないミカンさん» ありがとうございます、コメント嬉しいです!励みになります! (2021年11月4日 3時) (レス) id: bc32234889 (このIDを非表示/違反報告)
中身のないミカン(プロフ) - こちらの作品も他の作品も好きです。個人的好みなので更新楽しみです (2021年11月2日 5時) (レス) id: b0e448d7d6 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - 名前しずくさん» ありがとうございます!その言葉がモチベーションに繋がります!嬉しいです! (2021年10月30日 0時) (レス) id: bc32234889 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:user | 作成日時:2021年10月28日 3時

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