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「ということで、ええ〜……」
ちらりと不安げに私を見たコーチさんと目が合う。そこでようやく半歩だけ前に出て自己紹介をした。
「烏野高校男子バレー部マネージャー、一年、神風です。本日から日曜日までの間、臨時のマネージャーをさせて頂くことになりました。至らぬ点もあると思いますが、よろしくお願い致します」
言い終わって深くお辞儀をする。今はお仕事モードに入っているから、あまり緊張はしなかった。これは仕事と割り切ってしまえば案外私はやれるらしい。
「は……」
「は、えっ？」
「……え！？」
時間差で私の前に立っている彼らが驚く。仲がいいようで何よりだ。日向くんと影山くんにも見習ってもらいたかった。ただその驚きは当たり前とも言っていいだろう。
今回青葉城西に乗り込むに当たって、まず私がしなければならないことは変装だった。私の見た目は一見して地味だと分かるものだが、それと同時に非常に分かりやすい見た目であるとも言える。
及川さんのファンは女の子ばかりだ。もし彼女らに「他校の生徒が及川さん、ないしはバレー部に近づいている」等と情報が伝わってしまえば、他校だろうがなんだろうが見つけ出されて詰め寄られてしまう。女子の情報網は凄いのだ。とにかくそれは避けなければならなかった。
なので、変装だ。
髪は三つ編みを解いてポニーテールに。三つ編みを直前までしていたから巻いたようにくるくるとしてしまう。
眼鏡は勿論外してコンタクトにし、前髪は右側だけピンで止めて見やすくした。左側は落ち着かないので下ろしたままに。
とりあえずこうするだけでも私だと瞬間的にバレることはないだろう。事実、目の前の彼らは私を直視してから固まっている。
影山くんからは「及川さんに顔を見せるな」と言われていたけれど、それはそれとして私も平穏な学生生活は送りたいので、今回は申し訳ないが無視させて頂いた。心の中で何回目か分からない謝罪をした。
「え、か、神風、さ……？」
「あ、き、金田一くん、こんにちは」
「うぐっ」
「えっ！？な、何、どうしたの？だ、大丈夫？」
困惑したまま私に声をかけてきた金田一くんを振り向いて微笑むと、彼は爆速で顔を逸らした。更に胸を抑えているので少し心配になる。今の一瞬で何があったと言うのだ。
慌てている私を他所にコーチさんが咳払いをした。それに気づいて私も背筋を伸ばす。
「ってことで、こっちがお願いして来てもらってんだから、失礼のないようにしろよ」
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ReG(プロフ) - なこさん» 閲覧して頂きありがとうございます。今後も読んでくだされば幸いです。 (2022年4月18日 14時) (
レス) id: d40d8fc65b (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - とてもおもしろくてすいすい読めて読み応えがあります(^-^)/ 更新楽しみにしております(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)” (2022年4月2日 19時) (レス) @page22 id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ReG | 作成日時：2022年3月22日 15時
