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「ごめんね、そういう訳だから、私あんまりお勉強教えてあげられないかも」
「え、あ、い、いや」
「部活の後は、月島くんに教えてもらってね」
「え！？ウッ、ぐ、うううう……」
「そ、そんなに嫌なの……？」
日向くんの挙動もおかしいが、この場で1番おかしかったのは私だ。すぐさま怒りを抑えていつもと同じように話しかけると、ふっと空気が緩んだのが感じられた。
影山くんはまだ少し私から距離をとっていたが、私がもう怒る気はないと分かると少しだけ近づいてきた。何だか申し訳ないけれど、私も一人の人間なので怒りはする。
「お昼休みは教えてあげられるから、遠慮なく来てね」
「うん！ありがと！」
「……土日は」
影山くんが恐る恐るといった感じで私に話しかける。ここまで怯えられるなら彼の前で怒らない方が良かったかしら、と思ったが、後の祭りだ。私はうーん、と少し考える。
「多分大丈夫だと思うけれど……影山くんのあの約束があるから、もしかしたら無理かも。電話でいいなら、見れるかな」
「う……わ、悪い」
「反省してくれてるから、いいよ。次はきちんと相談してね」
私が微笑むと、ようやく彼はほっとしたような表情をした。次何かに怒る時は気をつけよう。友人に怯えられて距離を取られるのは、中々に精神的苦痛を伴う。
三年生の先輩方の方がまだびっくりしていて、少しだけ私と距離を取ったまま声をかけてきた。
「及川が何を言ったかは分からんが……何日間かは部活に出られないってことでいいか？」
「あ、は、はい、恐らくは……。是が非でも一週間以内に収めますが、恐らく三日は確実に出られないかと……」
すいません、と頭を下げると、菅原先輩が笑顔のまま私の肩を優しく叩く。頭を上げての合図で、私がゆっくり顔を上げると彼らは小さく笑った。
「このバカ二人を見てくれるなら、チャラにしとくべ」
「そうだな。まあ及川に何かされたら言うんだぞ」
「は、はい。ありがとうございます」
「お前ら、神風ちゃんに頼りっぱなしは駄目だぞ？」
「わ、私の方が頼ってますし……」
「それはない」
「それだけはない」
縁下先輩と澤村先輩が同時に言った。そこまで私を信頼してくれると、嬉しいよりも恥ずかしいが勝ってしまう。じわりと顔を赤くして俯いた。本当なのだが……。
「じゃあ、あの、頑張ってきます」
私の言葉に彼らは「頑張れ」と笑顔で返してくれた。影山くんだけがむすっとしていた。
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ReG(プロフ) - なこさん» 閲覧して頂きありがとうございます。今後も読んでくだされば幸いです。 (2022年4月18日 14時) (
レス) id: d40d8fc65b (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - とてもおもしろくてすいすい読めて読み応えがあります(^-^)/ 更新楽しみにしております(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)” (2022年4月2日 19時) (レス) @page22 id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ReG | 作成日時：2022年3月22日 15時
