あの海が見える場所 21

Yokohama 赤 ページ1

「オカン、風呂入るな。


昨日、入ってへんから気持ち悪い。」



熱い湯に浸かって、余計なもん全部汗と一緒に身体から出してやる。



余計な心配、余計な焦り、、、。



大丈夫、、、落ち着いて、、、。



ゆっくりや、、、そう、ゆっくり。



親戚の家では、もちろんヤイヤイ言われる。



「もうええ歳やのに、彼女の1人もおらんのか？」



「モテへんのか？オレが若い頃は、、、。」



御節をつまみながら、愛想笑いして、適当に返事してた。



「お前、ほんまはこっちか？」



日本酒を飲んで気分良くなった叔父さんが、オレの方見てジェスチャーをつけて聞いてきた。



完璧、バカにしてる。



「そうや！！


ずっと好きな人には逃げられて、やっと会えたけど前のような関係には戻れなくて、、、。


その人だけやねん！！


離れたくないし、離したくないのに、どうもできへんから悩んでんねん！！


なあ、、、どうすればいい？


教えてや！！？」



、、、って叫ぶことができればええな。



「違うし。


この前まで彼女おったよ。同業の。


で、結婚式場の下見までしたし。


けど、まあ、、、性格の不一致？


別れました。


オレ、かなりモテるから。心配なく。」



嘘ではない、、、ただ言いたくなかったこと、、、。



けど、なんかオレの神ちゃんへの気持ち、馬鹿にされたみたいで、、、ムキになってしまった。



言ってから後悔する。



結婚式場の下見のことまで言わへんでもよかったのに。



オレのアホ。

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