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Aサイド
確かに、正確な弾を発射した。
・・・はずだった。
パァン
鳴ったのは音だけ。
私は、手に持っている銃を見て、絶句した。
『・・ッ・・・弾、切れ・・ッ』
殺し屋にとって、戦闘の最中に弾切れは、命取り。
嗚呼、なんで確認しなかったんだろう。
きっと、最初の方のモブで使いすぎたのか。
いつもなら、予備の弾着を付け替える。
しかし、相手は黒組。しかも組長。
組長・・・光希の銃口は、はっきりと私を狙っており、隙きを伺っている。
今、完全なる鋤きが出来た。
光希の口元が、ニヤリとあがる。
やばい・・・撃たれる
こ「Aーーーーっっ!!!!」
ころんの叫び声。
銃を撃ち落とそうと、構えるがもう遅い。
光希の手が、引き金にかかって・・・・。
・
バァン
目の前で血飛沫が舞う。
『・・・・ぁ・・な、なんで。なんであんたが撃たれてんのっ・・・?』
血飛沫の正体は、私の兄貴。
奏「ッ・・・・」
『なんでっ・・・奏が・・・・っ』
光希が引き金に手をかける直前、光希の真横にいた奏が・・・・。
私の盾、となった。
ドクドクと溢れ出す、赤黒い血。
いつもなら、ターゲットを殺った証拠だから、なんとも思わないのに。
寧ろ、快感に襲われるくらいだったのに。
ねぇ、なんで?
奏は、私のことを裏切ったくせに、なんで庇おうとするの?
さっきは殺そうとしたし。
光希に殺らせとけばよかったのに。
奏「・・・・・A、」
ぐったりとしていた奏が、顔だけを此方に向け、弱々しく私の名前を呼ぶ。
その顔は____笑っていた。
その瞬間、何故か涙が溢れてきた。
______"おーいAっ!"
_________"A?大丈夫?”
___________”ばいばい・・・A”
私は、”お兄ちゃん”に名前を呼ばれるのが好き。
一緒に遊んでくれるお兄ちゃんが好き。
昔、指切りをして約束をした。
”僕はね、Aのお兄ちゃんだから。何が合っても、絶対に守るから。”
”ほんとっ?じゃあ、Aが殺されそうになったら、守ってくれるの?”
まだ、殺し屋のことなんて何もわかってない時だった。
だけど、自分では分かってたのかな。
お兄ちゃんが、殺しのことに関係してるって。
だから、”殺されそうに”なんていう言葉が出てきたんだ。
お兄ちゃんは、今と同じような笑顔で
”もちろんっ!”
って、言ったの。
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紫月まろ。@ばか同盟。相方:めんたいこ。(プロフ) - ページ30の怪我したってやつのお写真、うちのリア友のお部屋と同じ...。 (10月14日 20時) (レス) @page30 id: 2bc2556456 (このIDを非表示/違反報告)
雪那 - こんにちはっ!本当にこのお話大好きです! (2022年8月21日 16時) (レス) id: 956d4fad93 (このIDを非表示/違反報告)
赤い実が好き - こんにちはっ!Pさん!完璧少女進めてほしいです!おもしろかったので! (2021年12月14日 14時) (レス) id: 678f51501f (このIDを非表示/違反報告)
みずな(プロフ) - 初コメと応募失礼します 瑞稀 男 天然を演じてる (2021年9月13日 18時) (レス) id: 6e79866175 (このIDを非表示/違反報告)
ネココ - この作品面白いです〜気づいたら一番右のお星さまにマウスが…更新頑張れッ!! (2021年7月29日 12時) (レス) id: d9dbb0348a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴美味しいけど何か?、点P撲滅隊リーダー兼隊長兼事の発端者 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2021年6月12日 23時