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紅葉が29枚 ページ31

秋side


周りを見れば、みんな眠りについていた。
起きているのは私と夏未さんと瞳子監督と古株さんだけ。


夏未「監督、聞きたい事があります」


突然、夏未さんが口を開いた。
その表情はとても真剣なものだった。


瞳子「・・・何かしら?」

夏未「紅月さんの事です」

秋「紅月さん?」


ふと、紅月さんの方を見る。
彼女はぐっすりと眠っていた。


夏未「彼女について、いくつか気になる事があるんです」

瞳子「・・・」


瞳子監督は何も言わない。


夏未「まず1つ、彼女の先程の発言です」






_______________

優羽「私の意思なんてどうでもいいの」

_______________







夏未「あれはどういう意味なんですか?」


私もそれについては気がかりだった。
ううん、それだけじゃない。

紅月さんという人物に疑問を抱いていた。

いつも笑顔で極力喋らない。
初めは大人しい子なのだと思っていたけど、だんだんその笑顔が張り付いたような物に見えてきた。


瞳子「そのままの意味よ」

夏未「そのままの意味?」

瞳子「そう、彼女は本気で自分の意志なんてどうでもいいと思っているの」


自分の意志をどうでもいいと思っている人なんて本当に存在するの?


瞳子「彼女は幼い頃に色々あって・・・それ以来感情を無くしてしまったのよ・・・」

夏未「・・・」


色々とは何なのだろうか。
本当に感情をなくしてしまったのだろうか。
でも、どうしてかそれは聞いちゃいけない気がした。


夏未「ではもう1つ・・・彼女の学校のサッカー部は部員が減ったと言っていました・・・それは何故ですか?」


そう言えば奈良鹿公園に向かう途中、そんな事を言っていた。


瞳子「・・・事故があったのよ」

秋「事故?」

瞳子「紅葉丘学園サッカー部のキャプテンが1年前に事故にあって・・・亡くなってしまったの」

秋「そんな・・・」

瞳子「キャプテンが亡くなってからは、部員達もサッカーへの意欲を無くし、どんどん退部していったのよ」

夏未「そうだったんですか・・・」


紅月さんにそんな事情があったなんて・・・

これから彼女と上手く付き合っていけたらいいけど・・・

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作者名:和丸 | 作成日時:2019年5月2日 1時

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